「城崎にて」ならぬ今回の入院にあたっての病室の一コマをお届けしよう。このフロアは腎臓内科と呼吸器内科のメインフロア。したがって、人工透析患者や肺疾患患者が多い。
お約束どおり、面会はごく限られた人と、時間が制約されている。以前からお見舞いのお花の持ち込みは感染予防のため禁止されているのは承知していたが今度は「ダウンジャケットやコート(羽毛)」も着けたままでは病棟に入れないのには驚いた。
さて、入院中の逸話を2、3お届けしよう。呼吸器内科だからもしれないがC―PAPを装着の患者が多いこと、多いこと、これどちら様もが愛用している無呼吸症候群に対処するための医療器具だ。それでも、夜中にいびきと息が止まり「ブアーつ」と声が聞こえオチオチこちらも寝れない。
奥方様は、「主人とは一緒に眠れないので、夜寝ないで昼寝をしているんです」と涙ぐましい時差睡眠。
かと思うと、入院中にもかかわらず外出したいと看護師に迫る患者もいる。これ離院というが無断ですると大変なことになる。理由は「銀行に用事がある」とか「院外のコンビニで買い物をしたい」とか「自宅に忘れ物をした」とか様々な理由をつけて、時には黙って病院外に外出してしまった同室患者もいた。
当然のことながら、外出時の事故やトラブルを考えれば到底認められるはずもなく結局は主治医から叱られるか厳に慎むようにと諭される。当方も経験があるのだがフロア跨ぎもイエローカードだ。患者がいなくなるとスタッフ一同が大騒ぎして患者を探す。院内事故にかかわらず、自傷、自刃行為も想定されるからだ。
細かいことをいえば、ペットボトルの栓が自身では開けられないので「看護師に言っておいたはず」と言いつつ夜間勤務から引き継いだ看護師が申し送りがなかったとそれをしなかったことに激怒する患者もいる。
まあ、大体この手の類は、高齢者でしかも男性に多い。付き添っている奥方を罵倒し病室内でも平気で携帯電話を掛ける傍若無人ぶり。それが病気のせいなのかは分からないが日ごろの我がままがこうした時にも出てくる。
お前ひとりで病気になっているんじゃねえぞ、素直に謙虚に対処しろ!これだから年寄りの患者は始末に悪い。