「物価高に挑戦」として、こぞって割引、タイムセールやワゴンセール、シニアデーにランチサースビス、そのうえ毎日5時からの「夕暮れ市」に「本日特売日」のチラシ。
買い手は1円でも安いものを買い求めるべく店を巡るにめぐって、買う方も我慢に根性を貫く方だが売り手も黙ってはいない。在庫が残ったらデッドストックで廃棄処分ですべてロス勘定だ。法外に安く売れば赤字、不良在庫となってしまっても赤字。ここに販売店側の隘路がある。
そのうえ廃棄するにしてもタダではなく、廃棄業者に対する処分料や仕分けなどにコストがかかる。だから、値がついているうちに売れたに越した方がいい。売上も、ロスも少なくすることによって店の経営も効率的なって安定する。ただ、食品はモチが効かない。とりわけ生ものなどの生鮮食品は、その日のうちに売り切ることが絶対条件だ。
鮮魚、生肉の生鮮食品もさることながら、このところ店頭の生花、芋やパン類までもがその早割対象で、最近は賞味期限の近いドレッシングやマヨネーズまでもが特割対象となっている。
販売者側は、何とか売り上げを伸ばすために商品をお値打ち価格に見せかけるようなグラム単価表示にしたり、2本でこのお値段と消費行動にインパクトを与えつつ商品捌きに苦労している。
最近、気づいた売り手の工夫。割引率を後ずれさせている。つまり、当日(賞味)期限のは朝早くから半額だったのに、最近は午前中は2割引きにしておいて午後から一気に値引く。なるべく午前中に売り上げを確保しておきながら午後から段階的に30、40%と割引して、閉店間際に一挙に半額以下に値下げする。
これを狙って主婦たちが大挙押し寄せる。時間を弄しての買うための手間暇、コスト、売り手側の人員や業績確保。ほとんどの店長は雇われや派遣・バイトだ。売り上げ如何でかれらの給料や時給が決まる。
メーカーや卸売業は簡単に単価やコストを商品価格に転嫁すればいいが、小売りや末端の商店では価格維持が難しい。
お上は減税、増税に給付と勝手なことを言っているが、末端の小売店や消費者は、たまったもんではない。政治家や上級国民はそんな痛みと苦労は分かるまい!