Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

店じまいが凄まじく

 東京下町の「北島精肉店」は、ご案内のとおりかの世界記録保持者・オリンピック金メダリストの水泳の北島康介の実家だ。

 

 客足はともかく、今年五月で店を閉めるという。金メダリストが料理帽を被って「はい、豚細切れ200グラムに北島コロッケ3つねっ!」。どうもこの光景が想像だにできない。ここにも事業後継者の深刻な問題がある。

 

 その一方で、渋谷センター街のかの「ファースト・キッチン」が44年の歴史に幕を閉じる。

 

 それにしても、老舗ととして地元でも全国区でも有名な旅館、海鮮、スーパーや和菓子屋など、ここにきて次々と店を畳んでいる。立川に本店があった和菓子の紀伊国屋が潰れたのも記憶に新しい。

 

 こうした商売は、水商売だから浮沈が激しく日銭商売のやり繰りで存続が決まる。つまり、いろいろとコロナ禍や時短などの言い訳を口にするが、所詮日銭商売。毎日のやり繰りや忙しさに感けて、テナント料や事業が見通せないままに抜本的な改革が遅れると致命的になる。

 

「下手な男より女のほうが役に立つ」といった考え方の社長では先が持たない。あの東京駅の新幹線ホームに唯一あった立ち食いそば屋も店を閉じる、淋しい限りだ。駅、駅前と云えば昔から立ち食いソバ屋があった。これが次々に閉店している。

 

 近年、多くの大衆そば・立ち食いそば屋が閉店した。都内でも青砥の「青砥そば」、豊洲東雲の「てっちゃん」、田町の「丸長」、春日の「源太郎そば」、六番町の「ゆで太郎」、秋葉原の「六文そば 昌平橋店」、米原駅の「井筒屋」など。自由が丘などの「そば新」などもすべて閉店した。

 

 閉店の理由は様々だが、高齢化による営業存続の限界、不動産の老朽化やテナント契約完了による立ち退き、もともと薄利経営であったなどの構造的問題が背景にあったわけだ。これをコロナ禍を理由に見切りをつけて閉店しているのは表向きの話だ。もともと街に行き交うサラーマンの往来が減り、リモート勤務で出張や交通機関や宿を利用する機会が減ったのが遠因かもしれない。ただ、宅配・デリバリー事業も競争激化で倒産件数が激増している。

 

 折しも、手打ちそば処「戸隠」長野駅前店も、この1月25日に閉店する。長野出張の際にはよく立ち寄った「立ち食いソバ屋」だ。それに格安ビジネスホテル三景苑の新館に泊まるのが定番だった。この現実、今は昔、何とも言えず淋しい限りだ。

 

 遡っては、内の実家近くの大糸線松本駅の構内に同じく立ち食いそば屋があって、小腹が空くと実家をこっそり抜け出しては、踏切の警報を聞きながらよく食べに行ったものだ。県外者の当方にも店員が「今日も奥さんの里帰りかあい~!」と話しかけていただき仲良くもしてくれた。

 

 その北松本駅区画整理で今は地下道が走りその面影もなく、当時がやけに懐かしい。淘汰されるべきは淘汰たされるのだが、どうもこの理屈だけで現実を理解しろというのには納得がいかない・・・(>_<)。