「スピード感を持って措置することを前向きに検討する」。みなさん、これどう読みますねん?これね、普通ならすぐに実施してくれると思うじゃないですか?でもね、これね、政治や役所の世界では「な~んも、しねえヨ!」ということダスキン。
つまり、世間の常識とは全くかけ離れたところで、お仲間だけに通用するブロックサインが出されてということ。こうした隠語めいた言葉の使いまわしをいまだかつて行っている民間企業もザラにある。こうした組織は旧態依然の体制で思い切った経営のかじ取りが出来ない会社や組織に多い。
さて、話はクドイが今日のタイトルに関連した「スピード感を持て措置する」の意味はというと、普通なら「スピーデイに対応します」と云えばいいのに、敢えてこうした表現する意味は?「スピードがあるような感覚(つまりゆるーり、そろーりと緩やかに)で対応することを、やるもヤラナイも含めてこれから検討するので、現時点では何も結論は出ていません」という完全否定を意味するのだ。
この「スピード感」に似た言葉に、「直ちに」、「速やかに」、「遅延なく」等があるが、速さを比べると、ただちに > 速やかに> 遅延なく、の順番となる。
だから、「ただちに」は、真っ先にという意味で使われ、遅れることが許されず緊急度が高いという意味がある。次に「速やかに」はというと、できる限り早くという意味で使われる。つまり、相手の能力や環境を考慮した云い方なので「すべてあなたに任せている」の趣旨で使われ、あまり急いではいないサインともなる。
そして、最後の「遅滞なく」の意味は、理由や原因があれば遅れを許容する場合に使われる。平たく言えば「急いでも、急がなくてもどっちでも良く、さほど重要でもない場合」に使われる。
この他、誤魔化しに使われる言葉に今回多用されている「ロックダウン」、「オーバーシュート」などの(和製)外来語が使われるから余計に厄介になる。さて、みなさんは例えば、次の外来語本来の意味が解りますか「能」。「NO」は「能楽師」か「狂言師」。
アカウンタビリティ、イニシアチブ、インセンティブ、オンデマンド、コミットメント、コンセンサス、スキーム、ソリューション、タスク、フレームワーク、プレゼンス等など。
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