Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

ご愛嬌とお愛想

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 ご挨拶や、会話の中でよく耳にする「ご愛嬌と御愛想」この言い回しについて改めて考えてみたい。どちらも「愛」という字から始まるが意味が全く違うようだ。

 

  「愛嬌」とは「あるものに備わっている、もともと身についた性質」のことを示すことに対し、「愛想」は「他人や周辺に対して、発語する主体が意識的に振る舞う動作や態度」を表しているらしい。

 

    つまり「ご愛嬌」とは生れながらに自然に備わっている性質や性格。「愛想」とは、意図的に対外的な所作だから、ある意味では真逆の世界と言える。いままでご愛嬌とは「かわいく愛らしい」や「にこやかでかわいらしいこと」や「ひょうきんで憎めない表情やしぐさ」などを意味さまを言うのかと思っていた。

 

    だが、突き詰めれば愛想とは「人に接する時の、好意的な態度」、「他人に対する好意や信頼感。またそれを示そうとする行動」を意味する意図的、恣意的な言葉遣いのようだ。

 

「愛想」の「想」という字は、「相」と「心」から成っている。「相」は相互に向き合うことを示しているので、「他人に好かれようと、仕草や方法を思い浮かべる」といったあざとい表現にもみえる。

 

 「愛想」に丁寧となるような接頭辞「ご」や「お」をつけると「相手の機嫌をとるための言葉や振る舞い」や「お客に対するもてなしや気遣い」といった意味となる。

 

   業界用語で「飲食店などでの支払い、お勘定」に「お愛想」とよく使うが、この使い方は、本来は店側がお客に「愛想がなく申し訳ない」と謝りながら勘定書を差し出していたことに由来しているようだ。

 

「愛想」の類語は「親愛」、「厚遇」、「厚情」、「おもてなし」と意識的。

「愛嬌」の類語は「かわいい」、「愛らしい」、「チャーミング」、「キュート」と無意識。

 

    心情や生来の性格などを裏付けとした「愛嬌」に対して、所作に現われる「愛想」。時にお相手に「愛想が尽きたわ!」と言われたらもううオシマイ。そのようにしてお相手の言葉や所作を捉えると、それがご愛嬌なのかお愛想なのかがよく分かる。

 

   ご愛嬌とお愛想を巧みに使い分けて、ここまで生き抜いてきた当方、とうに本性が見透かされていたかもしれない。