Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

仕事納め

 

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  本日は、お友達の点滴チューブを外しての術後、退院後初の通院で世間の「仕事納め」とも重なる。寒波到来の中、都心までの通院となると一日仕事だ。

   反面、家人の心配をよそに、いろいろあった今年を振り返りながら、ひとり病院帰りに師走の雑踏の中を散策するのも情趣あるものだ。

 

 

 

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    サバサバとした気分で受検と受診。久しぶりに科長のN医師とお会いするが相変わらず丁寧な経過説明と患者を不安視させない対応は流石だ。抜糸に続き、胃に入っている圧力チューブを抜擢、これで体内に残るは経腸チューブ一本だ。そして摘出した胃臓と食道の患部のグロい写真を見せてもらう。まるで生イカの開きのようだ。食道は染色してあって、病巣の部分だけが見事に色が染まっていない。意外と病巣は食道内壁に散っていていたが筋肉下層にまでは届いていないとのこと。

 

    でも、病理検査の結果、摘出したいくつかのリンパ節に転移が見られれば、治療は第二段階となり、次は「抗がん剤治療」に入る。この治療が始まると声帯の肉声再生術は断念せざるを得ない。つまり、青江三奈、森進一風のかすれ声は完治しないことになる。そうした現実が意外と深刻な状態にも冷静にして客観的に聞き入れることができるのは、結構、ここまでの間に「腹が括れた」のだろう。それはそれで今後を受け入れるしかあるまい。

 

    それにしても眼前の困惑は「血糖値」だ。インスリンをいくら打っても、摂食しなくても値が高止まりしていて、むしろ此方の方が問題だそうだ。経腸チューブによる栄養補給は、「常に食事」をとり続けているようなもの。これを1日4時間×2回、だから、1日で自由が利くのは4~5時間程度、この間に摂取したカロリーを消化しないと益々糖代謝が悪化するという。

 

   つまり、点滴をしない間に結構な運動をするか、点滴スタンドを引きずりながら散歩でもしない限りカロリー消費が追いつかない。これって結構、治療より辛い至難。とはいえ、年明けには、退院後2回目の専門外来診察でその後のキツイ治療方針が決まる。

 

   今年後半は、当方にとって波乱の展開。9月18日に内視鏡検査で食道がんが見つかり、12月3日の入院まで頻繁に検査、検査、検査。翌4日に12時間に及ぶ手術、1週間のICU、MCUの集中治療。1週間の一般病棟での管理後、12月16日に退院。本日28日に外来受診。がん発見から3か月余の間で検査、入院、手術、退院、外来受診と終わってみればあっという間だった。

 

   当方にとっては、想いもよらぬ第4コーナーでのズッコケ。人生いつ、どこで何が起きるのか分らない。だからこそこれが世の妙なのだが、楽しいことや嬉しいことは予期できても、災いは予見することが難しい。そんなことがいつ起きていてもいいように日ごろから現実にきちんと向き合える覚悟が必要であることを改めて感じた。

 

    当方にとっては、そんなことを重ねて痛感した1年だった。当ブログ御覧いただいている皆様方にとって、来年が佳き年にならんことを祈願しつつ、新しい年を迎えていただきたいと心から願っている。

 

   追って

    これをアップしたのも束の間、今朝、かねてから懇意にしていたランニング・クラブのIさん(享年74歳)が、5年以上の闘病の末、奇しくも当方と同じく「食道がん」でお亡くなりになったとの訃報が入った。今日の仕事納めに当方の外来受診日が重なる。なんというお仕組み、運命の悪戯、それでも残された者たちは生くるしかあるまい。

 

  「花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、 いづれか歌を詠まざりける」

 

    ご冥福をお祈りしたい。合掌