知り合いの70代のマンション・オーナーの先代が当地で酒屋をやり始めたのが、今から50年前。当時はバー、スナックや一杯呑み屋にまで酒やビールを遠く千葉県や埼玉県まで配達していたそうだ。
時は移り、相次いで飲み屋が店を閉める中、スーパーやコンビニの台頭によってやむなく酒屋を閉じた。その後、代が変わり起死回生を狙って今から20年前に所有マンション1階でコンビニ店をはじめた。爺さんと婆さん、それに息子と娘による家族ぐるみの経営だ。
当然、人件費はアルバイト雇うよりは安いが、マンションを持っているとはいえ生活を維持するには日販50万円前後の売り上げがなければやっていけない。それに、耳の遠くなった爺さんや足腰の弱くなった婆さんでは品出しさえ容易でない。その上、現金払いでしか品物が買えないのが難点だった。
最近、近くにセブン・イレブンが進出するとの噂が流れた。半径300m圏内にコンビニが8店も乱立している。中でもセブンの怒涛の出店は凄まじい。今やコンビニは昔と違って、扱う商品もドーナッツ、おでんに始まり弁当の宅配、ATM、宅配ボックスの設置、チケット、住民票や印鑑証明書の受取も宅急便の受取りまでもができるようになった。
それに伴って、店員が覚えることが多く頭の固い老人では覚えきれないらしい。レジ打ちに始まりPOS端末の操作、宅配便の受付、切手・印紙の販売管理、商品の陳列、惣菜・揚げ物の調理にトイレや店内の清掃まで。この徳兵衛でさえとても無理だ。
コンビニ市場は飽和状態と言われるが、商品・設備・サービス面でず抜けたセブンの独り勝ちの様相だ。コンビニの栄枯盛衰は激しいが、店を閉めれば後は、コインランドリー、美容室、歯医者に店替するのが今の相場。 さて、前出の長年地域に親しまれたデイリーショップ「T屋」。セブンが進出してきた以上思い切ってこの秋に店を閉めるという賭けにでた。これを機に名物オーナーも夫婦揃って隠居するという。また、一つ街の灯りが消える。
(今日のおまけ)
病気が見つかってから、手術や投薬などに医療に関連した記事や書籍をよく目にするようになった。というより気になるようになったというのが本音。これらの記事の類は民間療法普及も手伝って現在の医学、処置や投薬について肯定派と疑問派にハッキリ分れるようになった。
例えば、先の「週刊現代」(2017年9月16号)のタイトルはこうだった。「名医たちが実名で明かす『私が患者なら受けたくない手術』」例えば大動脈瘤の人口血管置換術。それに「名医たちが実名で明かす『私が患者だったら飲まない薬』」もあった。代表格は花粉症に使用されるセレスタミンに鎮痛剤のロキソニンがそうだと記事は伝えている。
折しも、9月19日に流れたニュースで「無痛分娩で死産、夫婦で順天堂医院を提訴」(損害賠償額1億4,000万円)。どこもかしこも「賭」して、当たるも八「卦」、と「加計」にでる。