四月に入り、NHK朝ドラ「半分、青い!」にハマっている。大河ドラマ「西郷(せご)ドン」は、わが郷土の誇り、一癖、二癖もある林真理子原作に脚本が中園ミホとくれば、そこそこの視聴は獲れよう。こちらも毎週楽しみにしているが、実はそれ以上に朝ドラにハマった。
毎週、一週間分をまとめて録画予約して一気に視る。おたふく風邪のウィルスに罹って、左耳が聞こえなくなった「楡野鈴愛(スズメ)」と同じ日に生れた萩野写真館の「萩野律」の青春ドラマである。毎週、涙あり笑いありで楽しませて貰っている。歳のせいか涙腺が弱く、見終わるといつも涙で顔はくしゃくしゃだ。
わが孫の一人も、3歳児検診で障害が見つかり、その落胆と孫のこれからを考えることに爺婆もそのことを被らせて視聴している。この朝ドラの脚本は云わずと知れた岐阜県立加茂高校卒業後に早稲田大学の文学部に進学した“恋愛の神様”と呼ばれたあの「北川悦吏子」だ。
これがまた、スズメの子役が妙に演技が上手なこと上手なこと。「大あっぱれ!」だ。この北川、オフコースの大ファンで、小田和正と同じ大学に入りたいという思いから早稲田大学に進学した経歴の持ち主。
代表作には「あすなろ白書」や「ロング・バケーション」がある。それに異作では「世にも奇妙な物語」まで手掛けている。ただ、彼女はかねてから闘病していることを自ら明かしており、ブログでその日々を綴った『のんちゃんのふとん』も出版している。もともと腎臓が悪く、16歳のとき「子供は産めない」と医者から告知されたが、思いがけずも妊娠し娘を出産している。
これからが彼女の凄いところ。国指定の難病である炎症性腸疾患が見つかり、投薬を続けて寛解と再燃を繰り返していたが、その後大腸全摘出手術を受け、症状が落ち着くも左耳が突然聞こえなくなり突発性難聴と診断され入院する。病名は聴神経腫瘍で左耳は完全失聴。
だからこそ、この朝ドラマは正に彼女の自叙伝に近い作りにもなっている。妙にリアリテイがあるのもそのせいだ。
一度、病気や不慮の事故に遭った時、その後をどう生きるかは、その人の人生に対する取り組み方や考え方で如何様にでもなる。結果「どう生きて来たかが問題ではなく」「これから先どう生きたいのか」がその人のその後を大きく左右する。
もう、肩ひじを張って、息巻いた処で仕方があるまい。ここから先は、腹を括って虚心坦懐、大いに人生を謳歌しようではないか?なあ、そこの御同輩!!
(今日のおまけ)
「西郷(せご)ドン」のセリフに魅かれたことがある。西郷隆盛が初めて人を殺めたとき、「罪人にも兄弟や家族いて、如何に討ったものに正義であろうと、人の命は同じ重さだ!そんな(罪)人であっても命を大切にする国に変えたい・・・!」と。
首相も含めて政治家も官僚も御身大切とばかりに保身に走るいま、この国の先行きが一段と危ぶまれる。