Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

風に揺れし三春の桜に思ふ

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 いよいよ5月に入り、さらに桜前線は北上しすでに本州から北海道にまで渡った。先月ご紹介の上野恩賜公園弘前城の桜など、各地に観桜の名所があるが、なかでも福島県三春町の「紅枝垂桜(ベニシダレザクラ)」は国の天然記念物でもあって、お見事、天晴(あっぱれ)の一言に尽きる。

 

    しかも樹齢は千年。ソメイヨシノの樹命は70年程度だから、そのおよそ15倍も生き抜いてきたことになる。それもそのはず天保の時代にあっては藩の御用木として大切にされてきた。この桜に限って言えば、それ以前もこれからも、さぞ、わが世のいろんな歴史をみるに違いない。

 

    四方に広げた枝から薄紅の花が流れ落ちる滝のように咲き匂うこの姿は、巨木でしか味わえないうえ、幹の中は大きな空洞があって、その中から新たな桜が芽吹いている。朽ちた親の栄養が子々孫々へと受け継がれ、またその桜が花を咲かす。「輪廻転生」生まれ変わって、またその時代に花を咲かせる。たかが桜、されど桜、何とも人の世を生きる奥深さのある光景だ。

 

    桜の樹は実に繊細で、見事に咲く年もあれば花のツキが悪く咲く前に散る年もある。花弁や枝を手で触れば桜は細菌に侵され、根を踏めば土壌の通気が悪くなり樹命を一気に縮ませる。でも福一の原発事故で花見客が減ったことが幸いしたこともあった。それでもこの大樹はお構いなく、毎年この桜の樹の下に子孫の残すために種(タネ)を落としていく。

 

    これを目当てにここを訪れる人もいるというが、やがてこれが双葉をつけ、幼木となる確率は、1/10にも満たないという。ところが、過去にこの桜を含む何種類かの花の種子を宇宙ステーションの「きぼう」に持ち込んで帰還したところ、タネは見事に発芽したうえ、成長も早かったという。

 

   余談だが、生活、労働環境をガラリと変えるのも人間にとても発育しやすく、子孫が繁栄して充実した人生を送れるかも知れない。だから、お馬鹿さんほどあの世(宇宙)に一回逝(行)ってきた方が成長するかも知れない!

 

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    福島に限らず、こうした桜はいくつかある。今もそれぞれの子孫は全国や世界各地でその血を受け継いで花を咲かせている。今日ご紹介した「三春の滝桜」にはじまり淡墨桜(岐阜本巣)」、そして、お国自慢ではないが、わが郷土「山高の神代桜山梨県北巨摩郡武川村・現北杜市)」は日本屈指の巨木の見事な桜だ。

 

 ご先祖さまや親から受け継いだ血は子、孫へと引き継がれる。脈々と受け継がれてきたそんな桜の長い歴史から比べれば、いま自分自身が過している時間など他愛もなく短い。でも、この時間がなければ血は繋がらない。行く春を惜しむかのように「三春の滝桜」を眺めながら、ふと、そんなことがぼんやりと頭に浮かんだ。

 

 本日5月1日は令和元年の元旦、一方で旧メーデー当日、欧州では夏の訪れを祝う日でもある。今朝のお天気同様五月晴れとはいかず、取り留めのないお話となってしまったが、明日は明日で、また明日の風が吹く。「ヘイセイニサイタサクラ、カエラズトモ、キミナゲクコトナカレ!!」