Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

足しにもならぬ経験値

 「オレの背中をみて覚えろ」、「オレはこうしてきた」、「昔はこうだった」、「そうしてきて上手くいったのだからこれが一番いい」、「気合いと気力で乗り切れ」、「心がまえと気構えさえあれば何とかなる」、「汗をかく量が足りない、もっと走れ」、「ただ、水は飲むな!」


 これらの言葉って非科学的な精神主義でしかない。オレ流や根性論や体験談、経験論にしか過ぎない。自らがご苦労した実体験を元にそれがさぞ素晴らしいかの如く指導する。彼らはそれ以上の知見も論拠もない。これでは指導や習っている連中もたまったものではない。

 

 つまり、相手の立場、環境、思考性などを踏まえたうえでの指導でなければ、そこには合理性や説得力、納得性がないため受けている側は「やらされてる」感がやたらと強くなる。そのうえ自らが持っている能力も十分に発揮できない。

 

 社会人としての現役時代、コーチングに関する研修を何度も受けたが、どれもその場では腑に落ちてもしばらくして現場に戻ると、すっかり受講内容は忘れて上司の言うとおりに立ち振る舞った。その方がその後の昇進も早く、待遇も良かった。

 

 ひとたび、天下りや外部から招聘した役員や上司に異見しようとするものなら完全に「干され」て、其の後の上がり目はなくなる。面白いことに、こうした役員や上司に限って自信だけはやけに過剰で、経験値でしかモノが言えない。

 したがって的確な指導・指示ができないのだ。二の句は「オレはそうしてきた!」、だからそこには説得力もないどころか科学的根拠や合理性もない。そうした御無体な組織論が横行していた。

 

 上意下達、そこには互いの対等性が担保されていないので、議論も無ければ論争も起きない。よく言われた殺し文句が「君にも将来があるだろう・・」。これって今思えば脅迫、圧制、強要に他ならない。

 

 今だからこそ、こんなことが云えるが、気が付けば遠に現役引退。「長いモノには巻かれろ・・・」で歩んできたこの道、こんな落ち目、落ちぶれ爺々の姿を子や孫を前にして堂々と胸は張れない。