障らぬ神に祟りなし。ではないが・・・。
辛かった幼少期は内風呂がなかった故、夏はヘチマ棚の下での行水。でも寒い時もあるのでそんな時は家族総出で近場の銭湯通い。
湯上りのフルーツ牛乳がお目当てで喜んで行った幼きころ。当時の銭湯は雑多な人が入浴し皮膚病、伝染病患者や性感染症の人やらで一見しただけではそれは判らない。
ある日、母ちゃんと一緒に入った女湯。湯船につかっていると水しぶきが上がり、湯が目に入った。当日は何ともなかったが翌日から目が腫れあがり目ヤニで開かない。驚いた母親は早速当時の県病院眼科を訪れた。診断の結果は淋病(菌)感染。
それから何か月通ったのだろうか?手当を受けるがホウ酸水で眼球を洗うのが辛かったこと、辛かったこと。いまでもその痛みを憶えている。今、視力が低下しているのはそのせいかもしれない。
さらに、砂場で遊びでヒョウソウに罹った。この治療がまた過酷で苦痛だった。想像を絶する痛さ。両指の生爪を剝がしての手洗い治療なのだ。包帯でグルグル巻きにされた両手の姿は今でも目に浮かび、外科(当時甲府の小宮山外科)の診察台でお袋が当方に覆いかぶさり必死に宥めてくれた。通院しては包帯を剥がすのがこれまた痛い。
さらに、もっと言えば廃車になったトラックの荷台にあった鉄板で遊んでいるうちに鉄板の端が顔に向けて刺さり大けがをしたこともある。だから内緒だが当方の顔面には当時負った傷跡がある。眉間や目にあたっていたらと思うとぞっとする。
時に最近、国内で性感染症の「バイドク(梅毒)」が猛威を奮っている。公表ベースで一万人。現実には数十万人にも罹患者がいる。戦後のペニシリンの普及により完全に駆逐されたとと思いきや、今、感染している多くは20代の女性だ。事態は極めて深刻な状態だ。
安易な接触、もらい受け事故もある。くれぐれもパートナー選びは慎重に。若幼き頃の辛い思い出が蘇る「障らぬ神に祟りなし」。