Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

アベンド

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 システム運用中に突然理由もなく運行が停止してしまうことをアベンドという。先にみずほ銀行のシステムが最近二回に亘って運行を停止したのは記憶に新しい。一回目は3千台以上のATMの休止。数日後に発生した二回目も同じく拠点拠点28か所、29台のATMの休止。一回目はデジタル通帳移行時のハードの容量不足。二回目は原因不明。さて、一回目の大規模システム障害時にはカードや通帳が吸い込まれ中には半日近くコーナーを離れられなかった顧客もいた。そのうえ、コールセンターへとの電話の不通、自動ドアも作動せず、結果的にコナーに閉じ込められる顧客もいた。

 

 いまだ1000件余の通帳やキャッシュカードがお客に戻らないという。他行カードでの引き出しは勿論のことだが、住所や連絡先の変更届が未提出の客もいたようで被害はさらに拡大下した。でも、中には架空名義、詐欺用口座、借名口座などもあったやにも聞く。一面で禍い転じ不正口座の炙り出しにはよかったのかもしれない。

 

    ただ、金融行は数次に亙る大規模当行のシステム障害にカンカン。顧客に迷惑が掛かると苦情やクレームは直接当局にも向く。中には弁護士を代理人に当局に賠償を求めるケースもあるのでピリピリだ。

 

    まあ、第一・勧銀、富士と興業銀行の継ぎはぎだらけのシステムだから、そこらじゅうにバグが潜んでいてもおかしくない。後述するが、なぜこうした事態を招くかというと、発注側にシステムに精通した人間がいないことが一番の要因。

 

 そのうえ、受注側も三次下請けまで再委託するのは当たり前、そのうえ設計にインド人や中国人なども関わらせる。だからリリースしても、しばらくして開発に携わったプログラマーやエンジニアは誰も残っていない(残っていてもほんの一握りのスタッフのみ)こととなる。対処と原因究明が遅れるのはここにある。

 

 その少し前には、東証システムの終日売買停止、厚労省のVSISにCOCOAにハーシスや銀行系システムなどに不具合が多発。金融機関のシステム開発・更改には大手の富士通(ファコム)や日立(ハイタック)、もしくは関連会社の受注が多い。その一方でアプリを利用したスマートフォンソフトに参戦する中小のシステムコンサルタント会社などの参入も多い。大手、中小も含め粗製乱造でメンテもプログラム修正もパッチ処理で済ませるなどいい加減な対処が主流だ。

 

 当方の経験則からいうと、特に制度変更や商品・サービス追加があった時が危険が危ない。

 

 これでは他の先進国に比べて日本のシステムインフラが見劣りするのも致し方ない。金融機関に限らず空輸、交通などあらゆる分野で張りぼての運行がこれからも続く。