Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

結界(けっかい)

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 界を結んで空間を内と外に分け、内側を浄(聖)、外側を不浄(俗)とに区分けすること。葬儀においては、仏事用の垂れ幕などで結界をつくる。密教では、修行の法によって一定の地域に汚れを入れないために結界地を定めている。

 

 鳥居、注連縄、垂れ幕を用いて聖と俗とを区別し結界するための境界としている。その先は仏・菩薩や神が降臨する場所であって、聖なる空間なのだ。だから、言葉さえ一切交わしてはならないとされている。

 

 高野山で境界域に結界石を置き、女人堂を建てる女人結界を設けている。つまり、一般に不浄とされる婦女子はその先に足を踏み入れることができない。この考え方はイスラム教の世界にもあって、とりわけアフガンのタリバンなどは極めて強い女性差別を強いている。

 

 山の頂は役行者に代表されるように修験の道であり、いたるところに地蔵や仏堂が置かれているところも数多い。山登りをしていると判るのだが、大日岩、大日堂などが登山道の脇に佇んでいることがあったり、巨岩を注連縄で巻いている場所もあったりする。

 

 山、岩や巨木(樹)はそもそも御神体であり聖域でもある。どの山もそうした山岳信仰に根付いた遺構や史跡がある。例えば九州の英彦(ひこ)山は、その昔千人もの修験者が多くの宿坊に身を寄せ修行に励んだ。

 

 そう考えると、高尾山にしても筑波山にしても麓には神社や仏閣がある。地元山梨にも身延山久遠寺があって、奥の院のその裏には壮麗な「七面山」がある。若かりし頃近所の方がこの七面山に登拝して「すっげいお山ズラ、富士山よりずっと高いじゃんけ」との話を 聞いた時に思わず吹き出したことがあった。

 

 安達太良山(通称;乳首山)に登った時も女人結界地があって、そこから先は女性登山者でも山頂を目指すことができなかった。でも、紅葉の季節ともなると、女性ハイカーが徒党を組んで、べちゃくちゃと大声でお喋りをしながら頂を目指していたことを思い出す。行き帰りのバスや電車の中でも兎に角、ヤカマシイ!

 

 斯くも女性は逞しく強くなった。弱き者よではなく「強き者よ!汝の名は女なり」 早いもので、今年も残り3か月と1日、再び「結界点」がやってくる。