三九郎とは、正月飾りやダルマ、書初めなどを焼いて無病息災を願う年明けの伝統行事。
全国的にも似たような行事があるようだが、「三九郎」と呼ぶのは、長野県の松本などの中信地方だけのようだ。県内外の他の地域では「どんと焼き」や「どんど焼き」などとも呼ばれている。
「三九郎」という呼び名の由来は、道祖神の祭りをする神主福間三九郎大夫の名をとったものだとか?諸説いろいろあるようだが、大型の大三九郎に小型の小三九郎。はっきりしたことは不明。でも、松本の女鳥羽川の河川敷でこれが燃やされるのを何度も見てきた。
なぜか、どんとの頂点にはダルマが飾られ、ご近所から餅つきが始まる。やはりつきたての餅は旨い。味付けはいろいろあるが、きな粉、あんこ、ごま、大根おろしがあっていろいろな風味が楽しめた。
最近の地方には、このように年明けに正月飾りを集めて燃やすというような行事もなければ、お供えの餅を砕いてお汁粉の中にに入れて、一年の無病息災を願うといった風習も少なくなった。
やれ、火災だ、消防だ、年寄りが餅をのどに詰まらせたらどうするのかと、要らぬ心配ばかりが先行して風習や歴史が廃れていく。
時に、駅弁もそうだが移動距離の長い時代は駅ごとに窓から手を伸ばしご当地の駅弁とお茶を買い求め、出先や旅を楽しんだものだがいまや特急列車の窓は開かず、いつの間にか駅弁売りも消えた。
仄聞すると、当時の国鉄は駅弁の食材から品、それに駅弁の売り子にまで厳しく規制を求めたという。
なぜかしら横川駅から裏妙義山を登ったことがあって、急に「峠の釜めし」を戴いたことを思い出した。そうこうしているうちに今年も明けた。