「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」とは、実るほど自重で穂先が地面に垂れていく稲穂に例えて、「学問や技能が深まると、他人に対してますます謙虚になること」を意味することわざだ。
「偉くなったら偉そうに振る舞い、偉くない人がぺこぺこと頭を下げるものなのじゃないかな」とことわざの意味に矛盾を感じるのも不思議だ。
現役時代「お前は麦だ!!」と、上司に叱責されたことがある。稲穂は実るほど頭を垂れるが、お前は実るほど額を揚げると云われた。それはそれまでの自信でも実績もあったことの裏返しだ。
講釈を垂れる、含蓄を垂れる、釈明を垂れる。これら垂れる使い方は必ずしもいい意味で使われない。これはご本人の心情や心根によるところが多いものだ。
Goo辞書からの【垂れる】 の解説では、
㋐ひと続きのものの端が下の方へ低く、力なく下がる。また、一部分が下がった状態で位置する。「電線が—・れる」「雲が低く—・れる」「目じりが—・れている」
㋑水などが何かをつたって少しずつ落ちる。しずくとなって下に落ちる。したたり落ちる。「水が—・れる」「よだれが—・れる」
また、
㋐ひと続きのものの端を下の方へだらりと下げる。たらす。「釣り糸を—・れる」「首を—・れる」
㋑目上の者が目下の者に示したり、与えたりする。「教えを—・れる」「恵みを—・れたもう」
㋒のちのちまで残す。「名を後世に—・れる」
㋓(「放れる」とも書く)大小便や屁 (へ) などをする。排泄 (はいせつ) する。「寝小便を—・れる」
㋔「言う」を卑しめていう語。「文句を—・れる」とある。
この歳になると、腹や尻が垂れ、母親になると垂乳根といわれ股間の緩みもあって体形が完全に崩れる。
それどころか、眼瞼下垂ならまだしも耳、鼻は垂れ涎もたれるばかりか、気づかぬうちに糞尿が垂れてしまう。今日は立冬!