Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

過剰敬語

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 えー、あの~!その・・・、こういった接頭語を駆使してお話しす方、以前にもご指摘したとおり、ご自身の頭の中が整理できていないのか、時間稼ぎのためなのかようワカラン。聞き手にとっても耳障りで「はよ、言えやっ!」と溢したくもなる。

 

 それに似た様な言葉遣いでやたらと「お」をつけたがるお上品の女性が多い。とりわけ料理研究家なるオバはんたち。「おさかな」に始まり「お野菜」、「お肉」、「お米」、「お蕎麦」に「お豆腐」などと、やたらと「お」をつけるのが気品に満ちているように錯覚しているらしい。

 

 ただ、「お○○こ」とは言わない。つまり「お」を省いても文脈、会話は成り立つ。なんのための「お」なのか?「お団子」といわず「ダンゴ」といえばいいものを・・・。

 

 さて、 立春を過ぎてもまだまだ寒い日が続き、肌の乾燥する季節。そこでもこんな投稿を見た。

 

 先日買い物をしておりましたら、化粧品のカウンターでの女性店員のこんな言葉が耳に入ってきました。「使いはじめてすごくお肌の調子がいいものですから、私もお肌のために毎日使っているんです。お肌のためにはもうすごくお勧めなんですよ!」

 

 何だか気になりますが、それはなぜかと言うと「お肌、お肌」と連発していることと、この「お」の使い方に問題があると感じます。丁寧に品よく言おうとする「美化語」と考えれば間違いではありませんが、なぜ気になるのでしょうか。これは「お客様のお肌」ならば「お肌」で違和感はありませんが、先の例はすべて「私」の「肌」に対して「お」を付けている点で、なんだかしっくりこないと感じるのではないでしょうか。

 

「お」の問題ではありませんが、似たような過剰敬語の誤りとして、次のような例がある。

 

 「こちらのセットにはお飲み物がお付きになっておりますが、どうなさいますか」

 「ご注文の品はお揃いになりましたでしょうか」というような接客の際の言葉です。

 

 「お付きになる」「お揃いになる」の部分、何だか妙ですね。これでは「飲み物」や「注文の品」に対して敬語を使っていることになってしまいます。例えば、「(先生の)お嬢さんは、介護のためずっと先生のそばにお付きになっていらっしゃる」「みなさんお揃いになりましたでしょうか」という例であれば、人が主語ですから「付く」「揃う」の尊敬語として「お付きになる」「お揃いになる」という表現も使えますが、飲み物や品物に対して尊敬語を使うのはおかしい。

 

 

 相手に近い所有物や相手の状態などとして「お宅が完成なさった」や「(怪我が)お治りになった」という言い方は自然でも、「犬がいらっしゃる」や「(電話の故障が)お直りになった」は不自然。

 

 尊敬語を使うのであれば所有者を主語にして「犬を飼っていらっしゃる」としたり、敬語表現を省いて「(電話の故障が)直った」と言ったりするのが正しい表現。つまり、先のレストランの例も「お飲み物が付いておりますが、どう(いかが)なさいますか」「ご注文の品は揃いましたでしょうか」とすれば問題はない。

 

 このような誤用例は、どこに敬語を使うか、敬語を使うべき対象を誤ってしまった例です。「私のお肌」の「お」も、だれの所有物や行為に対しての言葉かという点を考えないままの使ってしまって美化語の過剰使用と言える。尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語とさまざまな意味で使われる「お(ご)」の付く言葉ですが、敬語の対象は何であるかを考え、むやみに付けすぎないように注意するべし。

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 ときに長野市内の「しまんりょ小路」添いの船看板で有名な居酒屋「(屋号)風林火山」の店主は、甲州出身の武田氏の血筋とみたが如何であろうか?