Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

泌みる夜汽車

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 今、BSPで放映しているタイトルどうりの番組に嵌っている。電車にまつわるドキュメントを流しているのだがこれがめっちゃ心に泌みるのだ。あざみ野から湘南台までの横浜市営地下鉄。運転士父の背中を追って、高校時代ノンポリ女性がその地下鉄の運転手を目指すお話。

 

 また長﨑本線で父親の最期を看取ろうとするが、電車内で携帯電話が掛けられない夫と妻との言い争い。それを隣で聞いている男性看護師、躊躇していると真向かいに座っていた若き女性が「お父さんにお電話かけてあげてください」と心情を察して余りある優しさ。病院に電話して父親の枕元に父親の携帯電話を耳元においてと依頼し、大きな声で「親父・・・聞こえるか?」と叫ぶ息子(夫)、幻聴なのか幻なのか親父さんが頷きながら最期の力を振り絞った声が聞こえた様な気がしたとのお話。

 

 結局、ご逝去され看取れなかったご夫婦。そう云えば、虫の知らせか当方のオヤジも、帰甲急ぐため娘を浦和で拾って山梨に向かう途中埼玉県警にスピード違反で捕まり結局、身体はまだ温もりがあったが死に目に会えなかった。お袋は6年前の1月末施設の一室で夜中に血を吐き独り他界した。こうしてみれば両親とも「最期のお別れ」が出来なかった。これほどの親不孝はないと反省しきり。今となっては悔いても悔いても悔やみきれない。

 

 話は戻るが、ナガデン(長野鉄道)の廃線となった須坂から屋代を繋ぐ屋代線。この線路の途中に若穂という無人駅があった。三人の娘を育てた父親がその娘(3姉妹)らと駅に向かうまでの5分間だけ話ができる時間があった。父親は朝7丁度に家を出る。毎日娘との会話が楽しみだったようだ。駅に着くと彼女らは友達の処に駆け寄る。駅のホーム端でポツンと佇む父親。

 

 その娘らも既に三十歳越え、多くの孫にも恵まれている。三人を同じように育ててきたが性格は三者三様。それを回想する父親が、当時の様子を地元ラジオで語っている。その録音にじっと聞き入る三人娘。「あの時の父親の気持ちがやっと分かった」と云う。泌いる話だ。