歳を取ると、頭、腰、足が弱ってくる。それに弱くなるのが歯だ。案の定、奥歯が欠けた。夢見では歯が抜けたりする夢は縁起がよくない。ただ、ここの歯医者さんは数十年来の付き合いだから、予約なしでも一言いえば診察時間を取ってくれる。
「先生！今日からお盆の入りだけど診てくれる？」、「うーん、今日は患者も少ないから午後から休診にしようかと・・・でも、今は混んでるから午前のギリでどう？」、「ハイ、かしこまり、それでは午前１１時前後にお邪魔します。」、「ハイ判った！」との返答。
この医者の息子は当家の子供たちと同級。よく存じ上げている。診療にあたってはゴム手袋やフェイスシールドなどは一切しない。独り診療だから、受診料の釣銭も素手で掴んで「ハイ！おつりね！！」とくる。
オイオイ大丈夫かよ！コロナ感染急拡大の折心配のタネは尽きない。でも、名前を告げれば即刻対処。商売気もないものだから「先生、通院するのは厭だから今日一日でやっつけて」というと「合い分かった！」と手早く処置をしてくれる。だが、治療時間より世間話の方が厄介でこれに付き合わされるのも難儀。
子どもたちは独立して家を出て、独り歯医者を経営しているが四年前愛妻をすい臓がんんで亡くした。かなり多くの病院を巡り最期を看取ったという。清算後の帰り際に先生が一言「徳さん、俺は浄土真宗だけど徳さんの宗派は？」、「曹洞宗ですわ！」、「ああ、武家さんの宗教ね。」、「何事も格式を重んじるか戒名一つでらカネが高くて、高くて・・」、「そうだよね困ったもんだの宗教法人、歯医者とは雲泥の差だわ、坊主丸儲け・・」。
「ねえ、徳さん『般若心経』ってしているよね？」、「はい、ソラでも唱えられますけど・・」、「このお経、宇宙学、天文学に物理学にアインシュタインの相対性理論までが網羅されている。知ってた？」、「ええ、まあ、『魔訶般若波羅密多心経・・・菩提薩婆訶』ですよね」、「何千年もの前にこれを悟って経文にしたのって凄いよね！」、「はい（しばし無言）・・・・、今のわが国の惨状を戒めたんでしょうかねえ・・？」
憚れたが大学名を訊いてみた。この先生のご卒業大学はチャミズの「東京医科歯科大学歯学部だと」。「何の因縁、これもご縁なのだろう・・か？」、「ちと着眼点が違うのは凡人の当方とは違うのか？」、また感染者が増えても一向に手を出さない「わが国・亡国ニッポン」。
今宵今晩の曲は、これで行こう「情熱大陸」。動画にハマったな・・・！！
