久しぶりにラジオを聴きながら早朝散歩した。明らかに日の出が速くなった。いつも通り「ラジオ深夜便23:05~5;00」を聞きながらのお散歩。今日は「義太夫」のお話。なかなかいい内容だった。三味線の一弦の開放弦の音は地響きのような低い音で心が揺さぶられる。
そして、三弦音は天を奏で、二弦音がこの現世を表すという。
万練ったテレビよりはるかにラジオの方が想像力を掻き立てる。落語に、ラジオドラマ。TVのない時代はそれでこそ十分だった。いまは枕元にラジオをおいて一日中ラジオを聴いている。悔しいかな番組は犬HKの第一放送。
衣食住に恵まれている現世。井戸水を汲み、ため便で用を足し、近所から借りた麦で飯を炊き、裸電球の下でちゃぶ台を囲んで家族で食事をした。春は春で庭先のあんずの花が咲き、夏は夏で、川で泳いで、ヘチマの実のなる棚の下で行水。夜は夜で蚊取線香の匂いに誘われながら蚊帳の中で眠りに就く。
秋は秋で、虫の音が奏でられて、いろんな虫のオーケスラを楽しんだ。冬は冬で寒風に電線の唸り声。子供ながらにその音が怖くて耳を塞ぎながらまんじりともせずに夜を明かしたこともあった。
つらつら考えると、かれこれ60年以上も前のお話。何が大切だったのかを考えてみれば「喰うことに必至だった」。つまり、衣食住の「食」こそが生きるための生命線。コリャナもワクチンも緊急事態宣言もいいが、戯れ言や愚痴ばかりで一向に前に進まないことばかり。
第一弦の開放弦の音にこの世の空しさと無情さを感じてしまう。そっと、遠路、出先の成田山不動明王金刀比羅神社にまで出向いて祠を前にに掌を合せた。
『摩訶般若波羅蜜多心経・・・・』うにゃむな・・・ららっ!「廻れ、まわれメリーゴーランド♪~、ラブソング~♪(久保田利伸)」