Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

永遠へMORE

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    今日もネガテイブなお話で恐縮します。いまから十数年前、よく存じ上げている横浜在住のご夫婦が旦那様の定年を機に、ご近所のご立派な新築マンションに転居してきた。

 

    この旦那様の頭文字はUさん。この方現役時代は大手信託銀行のエグゼテイブで、随分と名のあるお方だ。引っ越してきた理由は二つあって、一つには横浜の居宅は戸建てで高齢とともに手入れやメンテナンスが煩わしくなったこと。二つ目は、どうやらご近所に息子さん夫婦も住んでいらしゃって、Uさんご夫婦の老後を息子さんらが気遣い呼び寄せた。

 

    当然にして旦那さんは役員をしていたので、金目のことは心配せず、キャッシュでポンと買い求めた。それにお住まいのマンションは高層マンションにも拘わらず、低層階に住み、エレベーターホールや非常階段も近い。そのうえマンションの駐車場位置は出入り口に近く乗降の際の「車寄せ」にも近い。特段の配慮やお世話があったと聞く。勿論、売買関係はご存知の「スミフ」に。

 

    ところが、転居してほどなく奥方様が癌闘病で「国立がんセンター」にご入院。一月もしないうちにお亡くなりになられた。この間、奥方様は一度も新居に棲んでいない。これは転居先の方位(暗剣殺)が悪かったのか、それとも運命の悪戯なのか今となっては誰も分らない。

 

 Uさんは、独りで食事や掃除洗濯をするわけ(できるわけ)でもなく、連れ合いに先立たれてからは、いつも「なあ、徳さん、人は喰うために生きているのか?それとも生きるために喰っているのか分からない」とコンビニ弁当を前にいつもこぼしていた。

 

 そうした様子を見かねた息子さん夫婦が、Uさんを引き取り同居を開始した。その後、十年近く賀状のやり取りをしていたが、ある年からパタリと年賀状が届かなくなり、転居先不明で郵便も戻て来てしまう。

 

 そのUさん高齢者施設にでも入居したのか、それとも黄泉の国へ旅立たれたのか?そうしたことはある日突然やってくる。