おせち料理を食べ飽きると、松が明ける。鏡開きとか七草がゆとは、弱った胃や呑みすぎた肝臓を助けるために歳時記としてある。
賀状ならともかく、今年は元日から、旧友から連続して☎があった。アイツに、こいつに、ドイツもだ。中には、住所を間違えて年賀状が戻って来たとの惚けた連絡もあった。
相変わらずの居眠り三昧とテレビ三昧だが、正月七日の武井咲主演の「黒革の手帖(松本清張原作)」にはいつもながらのストーリーながら楽しませていただいた。原口元子が出所後身を置いた舞台は金沢。
近江町市場が登場したり、兼六園の一角が映ったりと多種彩々の設定だった。そういえば術前金沢同窓会を開いていただき、久しぶりに会った旧友を前にやけになって呑み潰れたことを思い出した。そんな奴からも連絡があったのには素直にうれしゅうございましたぜ。
どいつも、こいつも、フランスも会話・話題の中心は、とっくに十分な高齢者なのに老後の話と健康問題ばかりだ。ある者は後継者がいないので、自分の代で事業を閉じる方針とのこと。裏事情を知っているこの徳兵衛にあっては、なんとも身に詰まらせられる思いだ。その彼も、生きているうちにもうう一回みんなで会いたいという。
片や、静岡の御大は自身はぎっくり腰で、奥方はヘルペス(帯状疱疹)青息吐息だそうだ。奥方のカラオケの十八番は「天城越」で、当方の周囲には、石川さゆりの持ち歌を唄う女性がやたらと多い。でも、どなたをとってもこぶしと言い、ラインと言い唄は上手いのだ。
御大の実弟は、数次にわたる検査の結果、甲状にがんが見つかり、治療を進めるも転移を発症。早々に東京で手術をするという。
今や二人に一人はがんに罹り、そのうちの四人に一人は五年以内に亡くなる。つまり50%のワンコウーター。がんに罹れば百人換算で12.5人が五年以内に亡くなる計算になる。術中に亡くなる方もいれば、五年一杯まで存命の患者もいる。
どうか御身大切に、仲間同志、残された余生を大いに楽しみたいものだ。