歳末になると、必ずと言っていいほど「助け合い」の言葉を耳にする。今から40年以上も前、戦後30年も経ったというのに傷痍軍人が足に包帯を巻きながら街行く人に施しを受けていたことを思い出す。
それを見て、亡きお袋が云った「戦争が終わって、何年たったと思ってるんじゃ!」、「人の温情や同情をかって、いつまでお国をと・・それより、そんな体でもいいから働け!!」と呟いたことがあった。子供ながらに鮮明にそのことを憶えている。
しばらくするとその帰還軍人さん、足がないはずなのに、何食わぬ顔で包帯をほどき平然とした顔でその場を立ち去った。母、曰く「それ見ろ、いったとおりだろう!」
そういえば、最近、救世軍の「社会ナベ」もとんと見なくなった。
共存共栄、助け合い、共助、協同に協働、コミュニテイに地域に組やムラ!これって日本固有の民族性の「島国気質(根性)」ではなかろうか?日本のグロール化がいつまで経っても、一向に進まない原因はここにあるのかもしれない。
今にして思えば、地域密着をスローガンや看板に掲げて商売をする業界も企業も多いが、こうした組織程、発展性も成長性もない。
一見すると、同栄や地域密着とは賛美されがちだが、狭い、狭隘な世界にあってこそこうしたこそが生きる術だったたのか知れない。親戚付き合い、向こう三軒、両隣といった発想もそれに近いのかも知れない。
いよいよ寒波がやってきて、内陸部や裏日本(これって差別用語かしら)今日から大雪となるらしい。隣近所や知り合いが「力を合わせて」除雪や雪かきをする風物詩のような光景が目に浮かぶ。
そんな年の瀬も押し迫り、今年も残りあと二週間足らずとなってしまった。