がん全体の5年生存率が66.14%に改善したらしい。とくに乳がんや前立腺がんなどは9割超が治療の効果があって快復するという。こうした調査結果が、つい最近いやらしくもこの年末に、「国立がん研究センター」から公表された。
それによると、特定部位に発症したガンによっては「3年生存率」と「5年生存率」に大きな違いがあるという。当方のにわか知識だと「胆のう、膵臓、肝臓」の、いわゆる「タン・スイ・カン」は助かる確率がかなり低いことは容易に想像できる。
この66.14%と云う数字、あくまで信頼区間をどう取るかによっては、その確度はさらに深刻となる。一般的にこの区間は95%を前提にするのだが、詳しくは、当センターのHPをご覧になって戴きたい。でも予想した通り前立腺がんや女性の乳がんの快復が9割を超える一方、早期発見・治療が難しいとされる膵臓がんは、5年生存率が1割にも満たないなど、がんのステージごとにショックな現実が公開されている。
そこで、一番気になるのが当方罹患の食道がん(S-Ⅱ)だ。これまで一年は持ったのだが、なんと3年生存率は5割そこそこでしかない。それに5年生存率ともなると確実に生存率は4割にまで落ちる。すなわちこの部位に発症したガンは再発や転移が多いということだ。つまり半数の方はこの期間に「お迎え」が来るという、何とも恐ろしい数値だ。
もっと深刻なのは、「全国のがん診療連携拠点病院」の都道府県別に生存率が公表されているということだ。つまり、患者が多く集まる著名な病院にはサンプル数が多く、母数自体が大きい。だから、かなりの信頼がおける結果となっている。
一方、患者の少ない地域や県によっては結果的に相当な較差が生じている。だから患者にとっては医療水準を考慮しつつ何処の地域で、何処の病院で、どのような治療を受けるかが問題となる。まさか、患者の住所別に統計されているとは思わないが、結局、教育分野に限らず医療の分野でも一局集中が加速してしまうのだろう。言わずもがなだが、過疎地域や田舎に棲む生徒・学生や病人はカネがなければ、そうした地域格差の現実、環境を甘受するしかない。
当方も本日の午後には、東京から故郷に帰る。一昨晩は腹痛を伴う嘔吐で、塗炭の苦しみを味わった。独り田舎に帰って再びこんな事態に陥ったら、と思うと空恐ろしくなる。残念ながら山梨県の医療、治療水準はあまり高くない。その上「がん診療連携拠点病院」も少ない。
無情にも、このタイミングでの調査公表、この他にも副咽頭間隙腫瘍、糖尿病、頚椎症に高血圧症と持病には事欠かない我が身。そんな中、不安だらけの年の瀬の帰郷と相成なった。