アフタービジネスとかいって、退社後皇居の周りをランニングする方が多い。これが健康志向だと思い込んでいるのだから質が悪い。まったく根拠のないサプリメント、健康食品や運動。これらは全部特定企業の利権に結びついている。当の本人はそのことをさらさらご存じない。
その典型が皇居周りのランニングだ。一種のブームと云えばブームだが周辺のシャワー施設や飲食店はこれによって商売が成り立っている。その一方で排ガスの中でランナーは懸命に汗を流す。普通に考えればこれほど不健康な運動はない。場合によっては肺気腫を誘発しかねないリスクを負うことになる。
陽が落ちて走るのならともかく、日中に走るには光化学スモッグや紫外線などかなりの量を浴びることになる。その上、はーはー、ゼイゼイの極度の走りは体への負担ばかりか活性酸素を大量に発生させ正常細胞を大きく傷つけてしまう。これがガン発症の元となる。
その上、時計の反対巡りの一定方向にしか周回しない。この体の動きは同じ反復運動のため同じ筋力にしか負荷がかからないために故障の原因や体のねじれを自然に作ってしまう。
さらに、歩道も道路もそうだがセンターは盛り上がり、道路は轍によって左右が低くなる。ランナーの習性によって走路に向かって左側を走るのが常だから体は自然と左側に斜頸して左足に過度な重心がかかることになる。
つまり、体幹を積極的に歪め、これがいずれ体の歪みとなって顕在化する。挙句に整体やマサージで対症療法する羽目にもなる。もっと、身体に悪影響を及ぼすのが、ランニング後のアルコールだ。反省会とかマラソン談義とかいって直後にお酒を呑む方も多い。
でも、肝臓が水分やグリコーゲンを欲しているのに水分の代わりにアルコールを入れたら肝臓の解毒作用にさらに負担がかかり、肝機能は一段と低下するのは自明。体力を散々消耗したあと、気圧の低い山頂で達成感からビールを煽っているおバカな登山客と同じことをしているのだ。
健康維持や体を動かすことこそが健康管理に大切とかいうが、実はやっていることは、真逆で体に悪いことばかり。このことを「健康を追求するあまり、不健康になっちゃう。安全を追求するあまり、危険が増えるのと同じだ」と、故永六輔のおしゃべりを思い出す。誤った健康志向は早めに改めた方が良さそうだ。