Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

悲運は誰にも降りかかる。

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    チャリティー番組といえども、所詮は視聴率が最優先のあっぽんTVの24時間偽善、ヤラセ番組「ギャラと視聴率は地球を救う」の裏番組で、不治TVが珍しくアイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかの「ザ・ノンフィクション ある日娘は障害者になった~車椅子のアイドルと家族の1年~」(先週日曜14:00~)を真剣に取り上げ放映していた。サンデー毎日の当方、昼下がりの午睡の時間に思わずこれには魅入ってしまった。

 

    彼女は昨年4月に東京文京区湯島聖堂の敷地内にあった案内板が強風で倒れた際に下敷きとなり、腰の骨を折るなどして病院に緊急搬送。脊髄損傷の大けがを負い、両下肢まひの障害が残った。後に彼女は自販機で、ほんの十数秒、数秒でもラグがあればこんな目に会わなかったと、悲劇の現実を怨んでいた。

 

    この番組、番組では事故後の猪狩と、両親との1年間に密着した。埼玉春日部の消防指令の父親にスポットを当てた内容だったと見た。その父は娘が芸能界を目指した時に違和感と云うか素直に喜べなかった当時の心境を吐露していた。

 

   180度違ってしまった日常生活に、突然、娘に訪れた悲劇に生活は一変する。時にそれを献身的に支えたのが、縦のモノを横にしない普段は口数の少なかった父親だった。

 

    猪狩は、「上半身だけで踊って歌っている私を見て応援してくれる人はいるのか。怖かったです」と思いながら「もう一度ステージに」との強い覚悟で、“車いすのアイドル”として活動を続けることを誓ったのだ。父も懸命に娘との会話に心掛ける。

 

 事故から4カ月後の昨年8月にステージ復帰。その後は、始球式などの野球イベントや、有名人との仕事も増えていったが、そんな猪狩のもとに心無い声も向けられた。「事故がなければここまで有名になれなった無名タレント」「障害者を利用したビジネス」「見世物小屋的な事務所とグループ」。猪狩はそのことを素直に認めるも、「でも…。なんだろう、ちょっとは…」と話した後に言葉が都度続かない。ここは強烈なシーンだった。

 

 尿意や便意を感じることができない排泄障害など、厳しい現実は患者本人しか分からない。そしてそれをケアする家族も辛い。使命、生きてく望を“希望を与える”ことへの重責だと赤裸々に語っていたが、患者にとってはそうした一縷の望みがなければすぐに挫折してしまうのだ。

 

   両親のサポートを受けながら前へと進む姿を披露したコンサートにも、数曲歌うのが精いっぱいだ。幕間に舞台のそでで横になる彼女。再登場を待つペンライトを持って応援する父親。その横で母親が顔を覆いながら涙している。ここも強烈なシーンだった。

 

    近くその父親は消防署を定年退職する。「夜勤明けが非番となる仕事に再び就きたいという。そして、現役時代と同じように娘のリハビリや通院を支えたい」と呟いていた