Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

節分

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 暦の上では、今日から新たな年のはじまり。そこで、今日はここまでを総括して当方の病状について書き留めておきたい。がん発見の経緯は既に掲載のとおりである。ステージはⅠながら、分類としては、がんの浸潤が筋肉下層まで認められるT1b。これに伴い食道はもとより胃の半分を摘出し、転移予防のため頸部(100~105)、胸部(106~111)および腹部(1~18)リンパ節も除去した。なんとここに要した手術時間は12時間余りで、胃蔵による食道再建などを考慮すれば、他の消化器官手術に比べ極めて難しい手術だと担当の外科医はいう。

 

 治療の選択肢としては、抗がん剤治療や放射線治療など臓器を温存する治療法もあったが、当方としては当初から敢えて外科処置を望んだ。術後ここまでの間、最大の困難は糖尿病悪化によるインスリンの継続投与、半回神経麻痺による嗄声などはともかく、唾液でさえ咽てしまって夜中に目が醒めるうえ、食事が思うように口から摂れないことだ。

 

 だから今でも経腸管によって、長い時間をかけて点滴で体内に栄養補給を行っている。こうしたことでさえ、面倒で厄介だ。だから日常生活にも何らかの支障をきたし、ストレスも確実に溜まってきている。

 

 それでも、術後の体力回復と食事を摂ることのリハビリは続けなくてはならない。それを放おっておけば一生体内に差し込んであるチューブが外れないことになる。つまり、安全確実に食事が摂れなければ、こうした状態が死ぬまで続くことになる。さらにそこまでは行かなくてもリハビリや治療が上手くいかなければ、最悪の場合、誤嚥防止のために気管挿管までを覚悟しなければならない。

 

 経口摂食は、栄養バランスを考えながら少量時間をかけて口中で咀嚼しながらゆっくり嚥下することにある。ただ、これが思ったほど上手くいかない。そのうえ、空腹感も満腹感もないのだから食欲が鈍るのも致し方ない。当然、溜飲が上手にいかないと嘔吐や逆流を繰り返す。喉の下まで胃を吊り上げて咽頭部と吻合しているので、この部分に不全が起きればさらに摂食は困難となる。だから気管挿管までいかないとしても狭窄回避のためにはプジーという管を挿入して食道拡張術を施すことも検討している。

 

 「たかが、食事、されど食事」。産まれてこの方、「人を喰ったようなこと」は散々云って来たが、それ以外、食べ物では、牛、豚や鳥などのステーキ、カツ、てんぷら、寿司、魚介、麺類や内外国料理までいろいろなものを沢山食した。そうした旨いものの味はしっかりと体と脳が覚えている。だからこういった事態に陥った今でもその味は勿論のこと、味覚、風味や食感は忘れることができない。

 

 そうなるとどうなるか?体重が極端に落ちることは余り気にはならないものの、精神状態は一段と不安定になる。性欲と並ぶ人間が生物体として本能的な欲である「食欲」が萎え、食べることが困難となった時、人間はどうなるか?簡単に言えば、悪夢に魘され「鬱状態」になるのだ。だから、眠剤睡眠導入剤)や抗うつ薬投与による並行治療を行うケースも珍しくない。

 

 幸い当方の病状はそこまでは至っていないが、時折、その兆候はある。「病は気から」というが、がんに拘わらず一旦病魔に侵された体を快復させるためには、希望を捨てない強い心と体が必要だ。今日は豆まきの節分、心で「鬼は~外、福は~内!」と呟きながら、徳兵衛復活に向けて、今も懸命な闘病生活を続けている。

 

 以上、現場から甲州屋徳兵衛がお伝えいたしました。