Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

徳兵衛の経済原論C

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 金融機関とは、あこぎな商売で、その昔ある頭取がこういった。「安くあずかって、高く売る」。つまり「低金利で預貯金を集めて、それを原資に高い金利で貸し付ける。この預貸金の利ザヤでメシが食える。いともたやすい商売だ。こんな簡単な商売に行員はなぜ頭を抱えるのか?私にはわからん!」と。

 

 これには一理あるが、護送船団方式で一番力の弱い、歩みの遅い金融機関に配慮して預金金利をお国が決めていた規制金利時代は、どの金融機関も儲かった。まして、貸付先に不便を来すとお国は住宅金融公庫を実質解体、各金融機関に住宅ローンの取り扱いの道を拓いた。

 

 ところが、ここには落とし穴があった。金融機関の調達する預金金利は最低でも、国債利回り10年に+スプレッド。だが、貸し付ける住宅ローン期間は最低でも20年。ここに期間のギャップリスクを銀行が抱えることになり、しかも繰り上げ返済のリスクを負ったり、延滞や債務者の破たんも加味しなければならない。

 

 それに加えて個人ローンの上限金利判例で規制が強化され思うように金利収入が得られない。こうなると、マイナス金利下でもお客から預かる預金は有利子にしないといけない。だから銀行は思うように利ザヤが得られない。勢い貸付の代替運用としてエクイテイやリート、外債運用などの有価証券運用に失敗すると、たちまち銀行経営は成り立たなくなる。

 

 昨今、企業や個人も、どこもかしこも将来不安からお金は極力借りないようにしている。こした資金需要の低迷から銀行をはじめとする金融機関は、現下、預金を集めれば集めるほど赤字が拡大する。だから本音は預金は欲しいような顔をしていても実はいらないのである。つまり、預金どころかどの金融機関も経営規模をダウンサイジングして小回りの利く体質に転換しようとしている。

 

 それが証拠に、最近どこの金融機関もATMを取り外し、出張所の廃止や店舗の統廃合も著しい。そのうえ、銀行同士の再編、提携は一段と加速している。現下のオーバーバンキングを是正したい思惑は当局もBOJもその点では、手を握っているのかも知れない。

 

(今日のおまけ)

 その昔、街金で「トイチ」という言葉が定番となった。10にで1割の利息が摂られるということだ。105銀行という銀行名の銀行がある。貸し付け金利が10日で五分なら安いとすぐ気が付く。

 

 さて82銀行は80日で二分、16銀行は1年で六分、77銀行は70日で七分、114銀行は11日で四分・・・・

 

 皆さん、地銀再編が急速な折、預金金利も含め、借り入れと両建て取引になっている場合、銀行にお支払いしている実質金利をよくよく考えて。ね。