自分自身が脚本家にまで歩んだ道のりを投影したNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」
仙吉役の中村雅俊は全く演技も下手で、セリフ回しもぎこちなく、よう役者やとるな!って感じているが、先週土曜日放映の1シーン。
夏虫駅に萩尾律(佐藤健)を追いかけるスズメ(鈴愛:永野芽郁)。思い切り呼び笛を吹く、無情に発車する列車。音は届かなかったのか?薄汚れた駅舎の鏡に映ったスズメ自身の姿。諦めかけて振り返ると跨線橋から、呼び笛の音を聞いた律が階段を一歩ずつ降りてくる。
ロンバケの1シーンを切り取ったような懐かしい臭い。流石に北川だ。その北川が役者のセリフに混ぜた一言。NHKドラマ「女は度胸」で泉ピン子が発したセリフに、秋風先生(朝ドラには全く不似合いな豊悦)かスズメが「橋田先生には勝てん!!」といった。脚本家の北川が伝えたかった一言だろう。
さて、この夏虫駅、調べに調べ抜いたたら、意外とご近所。わたらせ渓谷鉄道の沢入そうり駅(群馬県みどり市東町)がロケ地だった。このシーンを機に県内外から同駅を訪れるファンの姿が多く見られたそうだ。こんなことを想い出に歩いてみようとする老夫婦もいると聞く。
このドラマを観て、人が集まる場所、行ってみたいところとは、そんな身近な場所に転がっているのかも知れない。田舎再生、地方再生と力込むが、忙しさにかまけて、普段からそんな光景や出会いを見過ごしているのかも知れない。
(今日のおまけ)
先日、ご尊父を失くされた由花(千葉県松戸市在住)さま。ご高齢で病弱のお父様のお世話をすべく、アッサリと会社を辞めた女性だ。しかもお父様を在宅介護で亡くなるまで家族が必死にご当人を支えたそうだ。葬儀で見た彼女はやせ細り、悲しみに堪えつつ会葬者にご挨拶をしていた。が、一つの大仕事を終えたようにも見えた。
翌日、旧友の幸彦(長野県千曲市在住)に久しぶりに連絡をした。そしたら、腰を悪くして今、独り住まいだという。理由を訊くと、嫁の95歳のオヤジさんの持病が悪化し、嫁さんは半年前から実家に帰って親の面倒を看ているという。
在宅医療、介護、看護どれをとっても周囲には多くの負担がかかる。コロリと逝けば良いが旅立つまでの道のりは長く負担も大きい。さて、当方、終活序盤、サコウ住か老人ホームか、病院か?最期をどこで迎えるか今のうちから考えておかねばなるまい。
なるべく早く夫婦で佐久市の「ぴんぴんコロリ地蔵」にお参りに行かなければ・・・と。