Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

自山の石

f:id:koushuya:20171024060350j:plain


 2人に1人が癌に罹る時代、「献身的介護」を美徳とする夫婦関係も崩壊し始めているらしい。自分でもいくつか思い当たる節がある。そもそも男は外に向かっては威勢がいいが、ひとたび大病にでもなれば気の弱さが一気に露呈する。これも子を産んだことのないオスの宿命かも知れない。

 

 うち弁慶な男ほど、闘病ともなると奥方に真逆の言葉を浴びせる。病院に入院しているうちはいいが、退院して自宅療養になった途端にわがままが爆発、性格も豹変する。治療の苦しさや術後の後遺症や合併症から来るストレスを唯一無二の奥方にぶつけたりする。それに通院への付添いと奥方の時間は次第に夫に拘束されるようになる。子育てより大人の介護は始末に悪い、そんな夫が増殖中だという。

 

 何となく、そんな光景は自らの姿に重ねるとよく判る。食事が不味いとか、体を清拭してくれとか、体を揉んでくれとか?死の恐怖がこれらを増幅させ、戦友ともいうべき奥方に平気で暴言を吐いたりもする。腹が据わらず宿命や運命を容易に受け入れられない夫(人間)ほどそうなる。痛さや辛さに耐え、泣き言や小言なぞ一言も言わず亡くなった人が当方の周囲にも何人かいた。

 

 そういう人ほど葬儀の時に死を惜しまれ、参列者の涙を誘い人格者としての評価も高くなる。闘病中大騒ぎした故人ほど面倒や世話をしてきた奥方に同情があつまり「よく面倒をみましたね」とか「これからの時間を自分のために大切に・・・」てな、お声がかかる。最近、目にした雑誌(女性セブン)の記事に「がん夫との離婚を考える妻は冷たいか?」との見出しがあった。似たような話は世間に割と多そうだ。

 

 あまり女房に愚痴、小言や苦言を云っていると、治る病気も治らず死期を早めるかもしれない。その前に三下り半を突き付けられて、ある日女房が家を出て行ってしまうかも知れない。その問いの徳兵衛、さあどうする!!

 

(今日のおまけ)

 女性セブンの記事は最後にこう締め括ってあった。

 「多くの女性が病気になった夫を抱えた場合、献身的に尽くさなければなどと考えます。世間体もありますし、軽々しく離婚など考えられないかもしれません。しかし、看病する自分が壊れてしまっては何の意味もなしません。もちろん批判を浴びることもあるでしょうが、必ず周囲に味方はいます。離婚という選択肢も頭の片隅に入れておくのは決して悪いことではないと思います」

   と、まさに他山の石ならぬ自山の石。