Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

合成の誤謬

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 みんなが、関係者が、参加者が、理論や理屈どおりに、マニュアル通りに正しい行動をとっていても結果として事態が悪化してしまう。最近の例だと小田急線の沿線火災で、停車中の車両の屋根に飛び火した。大参事は免れたが運転手は8分間その場に停車したため車両に燃え移ったのだ。

 

 原因は車両先頭付近にあった踏切の非常停止ボタンを警察官が押したためだ。警報信号は指令所に伝わり、電車はその場で自動的に停車した。運転手も指令どおり車両を動かさなかったマニュアルどおりの正しい行動だ。車掌も乗客の線路への立ち入りを抑止するためしばらく電車のドアを開けなかった、これも正しい行動だ。この時点で消防、警察、運転手や車掌などの関係者は誰も悪くない。ただ、乗客だけが「早く、ドアを開けろ!」と車両内は一時騒然となった。

 

   この一件、何が問題なのか。沿線火災は想定の範囲内で規則、マニュアルや運行方法が決まっている。ここで咄嗟の判断で運転手が警報を無視して、一駅前まで電車を走らせれば良かったのかも知れないがこれは結果論。原因はマニュアルのメンテナンス不足だ。初版を作成した社員はいつまでもいない。後に続く社員があらゆる事案を想定し見直していかなければこうした事故は防げない。

 

   作って作りぱっなし、言って言いぱっなし、やってやりぱっなし。新しく作ることより改修、改正する方が遥かに労力を要する。新たに作った人を称賛する傾向があるが実は環境変化に応じて見直す人の存在が大事だ。小田急はすぐさまマニュアルの見直しに入ったが、その一方でマニュアル人間を排除しつつ、臨機に柔軟に対応できる人づくりも必要だ。

 

(今日のおまけ)

 アマゾンの隆盛に米国の百貨店が相次いで倒産の危機に瀕している。日本でもコンビニ店の拡大と急成長で小売店がことごとく店を閉めている。そのコンビニもいよいよ共食いをはじめた。便利さだけでは生き残れない時代の到来だ。

 

   認証カード、キャッシュカードもそうだ。例えば、究極の本人確認は当人の氏素性や顔を知っていることだ。両親は亡くなるまでキャッシュカードも持たなかった。ATMの操作ができなかったからだ。預金の払い出しは地銀本店まで出向いて通帳・印鑑で払い戻していた。そういえば、昔は何処の金融機関も通帳や印鑑が揃っていなくても「顔」だけで預金の便宜払いをしてくれた。さて、どっちらが便利なのか怪しくなってきた