旦那さんを亡くした未亡人や彼と別れた彼女を「空家」というが、今日はもっと深刻なお話し。甲府市内の空家は3181戸。山梨県の空家率は全国ワーストの22.0%で今後の増加が予想されている。
トタン屋根が剥がれ土壁が崩れた崩壊寸前の家屋も多い。こうした家は大抵、所有権者が不明で、相続も完了していない。とりわけ、固定資産税も納められておらず電気、ガスや水道メーターも止まったままだ。倒壊や廃材、ゴミの散乱によって周辺住民の財産や人命にも関わりかねない。
法による強制措置で取り壊すこともできるが、私有財産がゆえになかなか手が付けられない市町村が多い。とくに税法に問題があって住居の用に供していれば、固定資産税は更地の1/6だ。したがって取り壊されないまま廃屋が残る。
各市町村も条例で取り壊しに着手するため、民間業者に調査を委託しているが、調査も取り壊し費用も一旦は税金での負担。結局、取り壊しても所有者が見つかなければ各市町村の住民がそれを負担するといった構図だ。ここになかなか撤去が進まない原因がある。
楽天の関連会社が9月から、全国の自治体と連携して空家情報を一括検索できる仲介サイトをスタートさせる。それを見て誰がその家屋に入居、利用するのかによっても所有者の抱えるリスクは異なる。外国人や筋の分らない人が妙な草を栽培されても困る。
空き家が増えれば、地域の自治は機能しなくなるため移住を進めて空家をなくせば地域の活性化につながることは分っている。でも、この山梨県においては住みたい県全国トップワンとは裏腹に空家率がワーストワンとミスマッチが生じている。地場の排他的で閉鎖的な県民性なのかそれとも行政に問題があるのか。そんなことをよそに、今日も市内では1件、2件と空き家が増えていく。
(今日のおまけ)
バブルの頃に買った宅地約230平方メートル。駐車場にも出来ず保有すること約30年。地価は当時に比べて七分の一。この間払った税金約3百万円強。計算の上では処分しても手元には殆ど残らない勘定。それに相続した実家。これにも固定資産税がかかっているうえ、使っても使わなくても水道光熱費の基本料金だけは今も払い続けている。
このままでは「子孫に美田を買わず」どころではなく、子に「負動産」を残すことになる。