Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

子供の声

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   ブランコやジャングルジムなど、子ども向けの遊具が撤去され、かつての「児童公園」は高齢者などの憩いの場となった。その一方で、最近ではボール遊び禁止などに加え、「大声を出さない」などの注意事項が増え、子どもたちが公園で遊びづらくなっている。

 

    当方が幼少の頃は、遊び場といえば空き地だった。そこでは上級生が下級生に遊び方を教えた。高度成長期に入って開発が進み、郊外にあった空き地が姿を消すと、代わりに「児童公園」が整備され、ブランコやシーソー、滑り台、鉄棒、箱ブランコなどバラエティーに富んだ遊具で楽しみ、時間を過ごした。

 

    その後、少子高齢化が進み、「児童公園」の名称はなくなり、周辺地域に住む幅広い世代が利用できるように整備が進められた。さらに、子どもが箱型ブランコに身体を挟まれたり、回転ジャングルジムで指を切断したりするなどの事故が相次ぐようになると、一部の遊具は危険とみなされ、撤去された。空いたスペースには主に高齢者が老化防止用にストレッチやぶら下がりなどをするための「健康遊具」が設置された。

 

     最近、公園内で「大声を出さない」「走り回らない」といった注意書きも見られるようになり、ボールを使えず、声も出せず、走り回らずにどうやって子供は遊ぶのか?と思いきや、ベンチに座り、静かに携帯型ゲームを楽しむ子どもたちの姿を目にするようになった。

  

     子どもの声に関して言えば、保育園や幼稚園の周辺住民からの苦情が社会問題になっている。公園でも同じことが起きている。少子化核家族化、単身世帯の増加で、子どもと接した経験が少ない大人が増え、子どもの歓声や泣き声が聞きなれないものだったり、不快な騒音に近いものになってしまったりしている。

  

   子供の声を容認できない地域や社会はやがて自ら消えていくだろう。次代につなげるといった真に大人の社会であって欲しい。でなければ、地域への帰属意識や連帯感も生まれてはこない。声をかけられる「見守る人」も「頑固親父」もいなくなれば、子どもたちは育たない。

 

    名作「星の王子さま」の冒頭で「大人は誰も、はじめはこどもだった。しかし、そのことを忘れずにいる大人はいくらもいない」と作者は語りかけている。