育ちの良さは、名前にもあらわれる。第一子は女の子で、父親は大喜び、母親も無事に産まれた子供をみて安心した。名前はどうでも良かったが、春に産まれたから「千春」と名付けた。翌年の夏、再び子供が産まれた。かわいい女の子だ。元気な夏に産まれて「千夏」と名付けた。
どうしても男の子が欲しっかった父親は、ここで賭けに出る。第三子に挑戦したのだ。アルカリ性、酸性食を選別しながら、食生活にも、日常生活にも、健康にも気を遣った。そして、やっとの思いで第三子を奥方が身ごもった。男子が産まれると楽しみにしていた父親。待ちに待ったが結局女の子「千秋」と名付けざるを得なかった。
さすがに、四姉妹目の「千冬」は、この世に生を受けなかったが、その気持ち、徳兵衛も十分理解できる。もうすぐ、この徳兵衛も「千の風に乗る」
(今日のおまけ)
その昔、長野県のM君が、出張のついでに、秋葉原に電子機器を買いに上京した。長野新幹線では来たものの、窓側に上着を掛けウトウト居眠りをしてしまった。東京駅に着き内ポケットに入れたはずの30万円入りの長財布が無くなっているのに気づいた。後部座席から手を伸ばされブランコスリにあったようだ。M君の上司から、早速電話があり、無一文の彼に金を貸して上げてくれと頼まれた。
信用とはそんなもので用立ててあげたのが、つい昨日のようだ。だからこそ未だに語り草となっている。そのM君は、今は某会社の役員・監事になっている。
何言おう、この徳兵衛も神田のプロントでクレジットカードを盗まれ50万円も遣われたこともあり〜の、社員から預かった送別会費用20万円をスラれたこともある。これこそ「他山の石」ならぬ「自山の石」だ。