反ワク派の論拠には「なるほどと思うこと」も沢山ある。昨日ご紹介した報道機関の体たらくは、民間ばかりではなく天下の犬HKでも凡ミスが繰返されている。また、不祥事に対するコメントが篩っていた。こんな子供騙しのような理由が、世間に通じると思っているのだから開いた口が塞がらない。これではどうしようもないという事例を後で御紹介しておく。日本の冠たる国営放送がこのザマとは、あまりに情けない。
斯くの如く、数字を引っ張り出すとお相手に対する説得力が格段に増すのは常。ただ、ここで注意したいのがその数字の出所や真偽だ。例えば、「国民の51%以上がワクチン接種を終えた」との報道。これも一面嘘とは言えないが、注釈がなければあたかも国民の2人に1人が接種を終えたと勘違いしてしまう。65歳以上の1回目接種率は88%、それに比べ40歳代が40%台、30歳代で30%台、20歳代では20%ソコソコ。これが2回目接種完了となるとさらにさらに接種率は低下する。
つまり、高齢者の接種率が国民全体のワクチンチン接種率を上げている。また、新規感染者数にしても年代別の検査数と陽性率を公表せず出来上がりの数字だけを報道する。このようによくよく数字の根拠や使われ方を確認しておかないと数字だけが独り歩きする。それに具合が悪くなると母数を示さないまま率を持ち出す。この手のトリックはお国の出口戦略にも使われる。昨日まで病床数(使用率)が前面に出されていたものに、今度は訳の分らない「入院率(入院待機者と自宅療養者に対する入院者数の割合)」といった都合の良い数字を使いだし始めた。
さて、冒頭の犬HKおそ松は、以下の通り。
「緊急事態宣言下でテレワークしながら、コロナ、五輪、パラリンピック、豪雨に同時に対応するのは正直、厳しい。放送直前まで編成は決まらないし、取材するのは寄せ集めの応援部隊です」(報道局中堅ディレクター)との言い訳。
今年の夏は、犬HKの様子がどこか変だった。単なる言い間違いだけでなく、特に重大とされる字幕やVTRの間違いが多発したのだ。中でも「膨大な数の問い合わせと苦情が寄せられた」(編成局局員)のが、8月20日の「おはよう日本」で報じた「子どものコロナ感染者数」。
8月17日までの1週間で、「10歳未満が4万7000人あまり、10代が10万2000人あまり増えた」としたが、実際には前者が7441人、後者が1万4734人と、はるかに少なかった。
「お子さんがいる視聴者が多かったこともあり、SNSで拡散されてしまった。番組中だけでなく、コーナーの内容を転載するネット記事でも訂正を出しました。
直前の16日には、アフガニスタンのガニ大統領が国外脱出する様子の映像を、1ヵ月前の外遊の映像と間違えたまま朝と昼のニュースで2回も流し、『ニュース7』でお詫びしたばかりだった」(報道局ベテラン記者)
犬HK広報局によると「厚労省の公表データをもとに原稿化する際、数値を取り違えた」のが原因だった。テレワークで細かい確認が行き届かなくなっているのだろうか。
加えて、士気の低下も著しいともいう。
「コロナで総理の緊急会見が増えていますが、官邸の言う通りに中継するため、7時や9時のニュースが潰れるようになった。せっかく組んだ内容が直前でボツになるから、やる気が削がれるのも仕方ない」(前出の記者)
凡ミス多発は、犬HKの異変、凶変の印かもしれない。トップニュースや一面トップ記事を何にするかによって、その報道機関・政治の思想心理、信条や企業体質・姿勢がよく判る。