薬物中毒が絶ち切れないいことや、依存症から脱却できないことを「マーフィーの法則」になぞらえて「マーシーの法則」とかいって、ウケを狙う方も多いようだ。でも、本家、本元は、今頃になってやっと侮れないことが分かる。
この法則、理論的な根拠からみて「不都合が生じる可能性があるものは、いずれは必ず不都合を生じる」といったことらしい。つまり、起こる可能性のあることは、いつか実際に起こるので、うまく行かなくなり得るものは何でもかんでも上手く行かなくなる。こううした不都合な現象を納得せんがため、これを「経験則」として片づけているのが世の常。一時、この本も国内でもベストセラーになった。その一部を引用すると・・。
・何事であれ失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する。何か失敗に至る方法をあなたは敢えてそれを選択してしまう。
・作業の手順が複数個あって、その内の一つの作業に破局に至るものがあるなら、きっと誰かがそれを実行してしまう。
・洗車をし始めると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合以外、洗車すると必ず雨が降る。
・一度認めた例外は、次からは当然の権利となってしまう。機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、突然に機が動きはじめる。
・母親は「こんな日もあるさ」と教えてくれたが、こんなに沢山あるとは聞いていない。
・人生で楽しいことは、違法であるか、反道徳的である。楽しみだすと、とにかく太りやすくなる。
・バターを塗った面を下にして、食パンが着地する確率は、絨毯や畳の値段に比例する。
といった具合だ。当方の拙い経験則から言わせてもらえば、山中で道迷いに出くわした時は登る苦労を厭わず、今来た道沿いに尾根に戻れ。得てして、沢沿いや下降を急ぐから遭難するのだ。つまり、手短で安易な手段を選択すると却って厄介なことになる。後半ご機嫌で走ったマラソン大会のゴール後に低体温症で救護室に運ばれるのも然り、行程を急ぎすると、必ず失敗と失策の落とし穴に堕ちる。
このほかにも首元を温めれば体温がって血流が良くなると信じているド素人さん。基本的に体で心臓から一番遠い「脹脛・ふくらはぎ」を温めて、血管収縮が機能しなければ心臓に戻る血は循環しないのですぞ。
だから、糖尿病の壊死は下肢から始まるのもそうしたことからだ。お買物もそうだ遠隔から近接に買い物を済ますのと同じだ。この「遠回り」こそが生き方のツボ、「急がば廻れ」なのだ。とはいえ、定年、年金受給開始を65歳から75歳に延伸されても困る。そこら辺りを餌に「遠く、遠くに」を推奨されたとて、正直、ご高齢の夫婦にとって残された時間は余りにも少ない。お年寄りにとっては、「明日の千円より今日の百円の方が大事」なのだ!