Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

稲と麦(想い出シリーズ2-2)

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 いま畑では、麦の穂が力強く天に向かって生えている。この麦を見ているとある役員の方の一言を思い出す。この役員、社内では主流派で、トントン拍子で昇格、昇任され、退任後も、とある組織のトップに就任し安泰の余生を過ごしていた。

 

 当方は、その役員と同期役員が務める反主流派に属していたので、その役員とは生涯組することも得なかった。でもこの役員にハッキリと云われたことを思い出す。どうやら、今思えば、彼は、心底、当方の将来を憂い、ご心配いただいたのに違いない。

 

 その役員と二人だけになった時、彼は云った。「トクちゃんよ、人は偉くなればなるほど、頭(コウベ)を垂れるものだ」、「稲穂の実がなるように人や地位や歳をとればとるほど謙虚になり、素直にならなければならない」、「君の場合は、『麦だ』、実が成るにつれてふんぞり返り、他力になのに自力で生きて来た顔をする」、「だから、それを改めない限り、これ以上、ポジションは上がらず偉くはなれない・・!」、と。

 

 案の定、ご指摘の通りそれ以来「偉く」はならなかった。でも、ソコソコのポジションに就いて社を退職した。その言葉に反発した訳ではないが、自分なりの自負と努力もしたつもりだ。そしてその時に呟いた「麦は踏まれれば踏まれるほど強くなる(麦と兵隊)」と反骨心を持ったから、そこまで持ったのかも知れない。

 

 当方が推した反主流役員についた役員は、「前立腺がん」で、今からかれこれ7年前に亡くなった。ご自宅へも何度もお伺いし、奥方様やお子様たちにも親しくして頂いた。そして、その役員の葬儀には葬儀副委員長として、通夜、葬儀の一式を執り仕切り、関係者へのご案内、ご挨拶に奔走し弔事の朗読などもさせていただいた。

 

 今思えば、当時から、主義・主張、態度や姿勢を改めなかったことが、良かったのか悪かったのかは未だ分からない。でも、それを曲げなかったことで、今の自分がここにいる。今でもこれは代えがたい宝だと思っている。

 

 いつまでも間抜けな「バカ麦」ではないので、その主流役員とは、退任後、親しく「大人のお付き合い」をさせていただいた。でも、その役員も舌癌を患い、その後、がんが膵臓へ転移したことが判明。体重は当方と同じく20㎏近くも減った。痩身の今の自分の姿そのものだ。

 

 先月、その役員のご子息から訃報が届き驚いた。ご長男は現在ミャンマーに在住。実家を引き払いご尊父の遺骨は今、彼の地に埋葬されたようだ。息子さんにお悔やみを申し上げたが、今でもあの時の「麦の話」を懐かしく思い出す。 合掌