Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

続:ヒッキー&キラーズ

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 「私が生きているうちに、何とか息子を社会復帰させないと・・・」と、悲痛な顔で子を思う80歳の母親。ほぼ1か月前の当ブログ「オッサンズ・ヒッキー」(平成31年3月31日付)でもご紹介したばかりだが、現実を見れば見るほどその根は深い。

 

 定職を持たない息子の生活の頼りは両親の年金。すべてが全てとは云わないがこの手のタイプは、幼少時から引っ込み思案な性格で、人付き合いが苦手。さらに学校では孤立し、いじめの経験や不登校もあって、その上、受験の失敗を機に浪人生活。ようやく大学に進学するもサークル活動やバイトもせず、ただ、ただ学校と自宅を往復するだけの毎日。

 

 就職活動にも気後れし、企業訪問や説明会に行くことが億劫となり、次第に深いヒキコモリに陥っていく、反面、兄弟は順調に育ち職にも就いている。そして、得てしてこうした子供の両親は結構な学歴があって、父親も大手企業のおエライさんやエリート官僚が多い。この問題、今更ながら、それほど日常化、パターン化してきている。そのうえ、なぜか親も外に向かってその事実を口にしないのだ。

 

    そんな時、母親は「気持ちを分かってあげられず・・」と思いつつ、涙ながらに子に謝罪する。こうした気持ちが彼らを増長(?)させ、事態を悪化させる原因にもなる。これがひとたび繰返されると、「ひきこもり」は10年単位で伸びていく。そしてやがて気が付けば、前回申しあげた通りの息子50歳にして親80歳という「8050」問題が顕在化する。

 

 そして両親の焦りが、一層解決を遅らせる。61万人ともいわれる中高年の引き籠りは一説には200万人を超えているとの報道もある。一時、当方も子育てに悩み、齋藤環の講習会に夫婦揃って茗荷谷の学習センターに何度か出かけたことがある。具体的な話を聞くと言うに憚れる事例もあって、刑事事件にもなりかねないような壮絶な現実があることを知る。齋藤氏いわく解決のポイントは「父親の積極的関与と『優しさ』より『親切心』を以って本人と接することだ」と助言・指導を受けたことを思い出す。

 

 この問題、ここ数十年来、抜本的な解決策は見つかっていない。つまり、このままいけば、親の死後に残された子どもが困窮して「孤独死」し、老衰した親がキラーズとなって子を道連れに一家心中を図るなど、最悪の事態が招来するに違いない。喫煙習慣する人が禁煙するには喫煙期間の2~3倍の期間を要するように、ひきこもり問題の解決にも相当な時間が必要だ。タバコや酒なら「ぴたっ?」と止められることも可能だが、この問題に限っては、段階的な訓練や経験が必要になることから一気には解決しない。場合によっては一生涯解決しないことさえある。

 

  問題はサポートする親も周囲も高齢化するため、いずれ「6040」が「8050」となり「9060」にもなりかねない。この問題を解決するための窓口やスタッフの設置など社会的コストも膨大だ。これを前提にすれば、「中高年の引きこもり問題」を放置したままで、「働き方改革」などを議論している場合ではない。こうした現状を認識すればするほど、この先のわが国に経済発展などを望むべくもなく、格差が一段と拡大し、貧困と疲弊がこの世を覆う。そうした耳障りの話は誰も聞きたがらず手を差し伸べようともしない。

 

 齋藤氏と同じく当方が思うに、この問題の解決には家族ではなく「善良なる第三者」が現れることが必要だ。つまり、親兄弟でもなく、典型的な第三者である恋人が現れ恋愛することが解決の早道なのだ。ヒキコモリの性別を見ると圧倒的に女性より男性が多い。オンナ好きのオトコに引き籠りが少ないのはその証左だ。さて、アナタはオトコ好き?それともオンナ好き?さてさて、この問題みなさんなら、どう解決します~っ?