Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

そんな簡単に・・

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 片づけてしまっていいのだろうか?ところで「播種(はしゅ)」とは何か?ミレーの「種をまく人」を思い浮かべて欲しい。問題を起こす人、その存在自体が問題であること、こうした人や原因が身の回りに存在すると、それを処理するために膨大な時間と労力とコストが費やされる。これらが表面に現れた以上に、その問題の根深さを誰もが知らない。というか、賢者はそのことを知るが故に、敢えてそこに触れないようにしているのかもしれない。

 

    播種とは、植物の種子を播く(蒔く、撒く、まく)こと、つまり種まきのこと。転じて、種をばらまいたように、細かい点(細胞)が無造作に無秩序に散ることを指す。ここまでみなさん、よろしいですかな?

 

    さて、ここからが今日の本題。「重複がん」とはそれぞれに違った原発性ガンがあちらこちらへの臓器に発症することをいう。発症のメカニズムについては、一応相互のガンの発症に因果関係(転移で)はないとされている。

 

   でもね、コトはそんなには簡単に片付かないのだよ!扁平上皮がんの場合、口腔内(頭頸部)から胃の入り口(肛門)まで上皮は繋がっているのだから、病巣がどこにあっても相互に作用(転移)しないなんてことはないのだ。しかも食道の径が4センチ以上もあるというのに、食道壁はたった4ミリしかなく胃壁の1/3の厚さしかない薄っぺらで繊細な器官なのだ。

 

    つまり、ステージⅠ(ステージ分類は0~Ⅳの5分類だからお間違いなきように)の診断結果であっても、これまでの症例から診ればその3割にリンパ節転移が認められるなど食道は感受性の高い上部消化器官なのだ。現実に当方もステージⅠと診断されたが術後の病理検査でありがたくも頸部、腹部はセーフだったが胸部リンパ節に転移が認められて、ステージⅠが1ランクアップして中央値のステージⅡとなってしまった。

 

     さて、再発はともかく、先ほどの播種について、特によく言われているところの「腹膜播種」を例に若干これに触れておこう。この病気は腹膜内を覆う腹膜の表面に腫瘍細胞が散布され生着した状態を指す。こうした腫瘍の生着は扁平上皮がんにも同じように起きる。

 

    この腫瘍は原発がんの延長線上にあって、元々の病変を姑息な手術をしただけではその原因は除けず、これに伴って術後の5年生存率も一気に下がる。まあ、温熱化学療法をやっても、薄皮一枚を剥がしたところで、何をやっても成功率は不芳のようだ。

 

   というのも、当方より遥かに若くして亡くなった従弟もすい臓がんを患い、その後「腹膜播種」を併発した。それまで幾つも治療を試し、最終的に「腹水濾過濃縮再静注入」までやって汚れた腹水を何度も抜いた。でも、正直に云ってここまで来るとこれはもう時間の問題。したがって、最初の処置や治療をしっかりしないと、その後に対症療法をいくらやっても効果は上がらないのだ。

 

    播種のなかでも恐ろしい「腹膜(偽)粘液腫」の特徴は、最初は肺、脳、肝臓やリンパ節への転移はほとんどみられない「ブリッコ顔」をしているが、時間が経つにつれて胃、大腸や他臓器への転移が始まって手遅れとなるケースが多い。殊の外、この病気は厄介で不治の病ともいわれている。こうなってくると抗がん剤治療や集学治療をいくら施しても治らない(医者は前にも述べた通り、これを「難しい≒不治」と表現する)。

 

   長くなった今日の耳学問の最後に一言。食道がんは、女性に比べて男性は5倍もの発症率で男性の死亡原因全体の第6位を占める病気なのだ。発症原因は、我が身を以って検証できたが、酒好き>愛煙家であることはもとより、熱く(情熱的?感情的で)て、辛い食べ物(苦労人?辛酸を舐めさせられること)が好きで、好物も性格的にも刺激物を求めたがる粘着気質の中高年の殿方に多い特長ある癌なのだ。もっと言えば、それ(自分の性格や好物)に気づいた時、つまり自覚症状が出たときはすでに手遅れとなるケースが多い。

 

    簡単に、「今度は『食道がん』が見つかりました、舌癌の転移でも進行性の癌でもないようです・・( ^)o(^ )」など、寝ぼけたことを宣う女性タレントもいるようだが、種がまかれた以上、そこに芽が出てやがて花や実が成るなることは十分に考えられる。

 

    酷いことを敢えて申しあげるが、そのことだけはココロしておいた方がいい。病気を克服するには、余程の覚悟と精神力が必要となる。何事もそんなに甘いものではないことだけはお伝えしておきたい。