「環境や出会いによって、もっと言うと産まれながらにして好むと好まざるに拘わらず、いつのまにか時は過ぎ、今ここにいる自分は一体なんなん?だから、今の全てを捨てたい!!」といった類のご相談を受けることがよくある。
こうしたお悩み事を受けるようになると、「吾輩も歳をとったなあ~!」としみじみ感じる。ついこの間までコチラが愚痴を言って、こぼしていたのにいつの間にか主客転倒。こんな時に、瀬戸内ハクション(晴美)がお答えすれば、「あなたの人生だからあなたの思うようにしなさい。人生は一度きりだから、あなたが決めたどおりで、それでいいのよ!」と返すだろう。
いい加減な答えだと思うのは当方だけであるまい。そもそもこの手の人たちは、相談者が一定の答えを持っている時は、それを肯定し、答えが見つからない時は、納得性ある例え話を引き合いに相手の心を揺るがす。それでも相手が納得しない時は、自刃しない程度に厳しい言葉で全否定するのが彼らの手口だ。そうすると相談者はよき理解者が現れたと勘違いして全幅の信頼を置いてしまう。
スピリチュアルの小原小助、キューボシ占星術の太木カス子やかつてのオラ(織田)!ブン堂もみんなこの種の人間だ。ある意味、心理操作や印象操作で「その気」にさせるのは、霊感商法やオレオレ詐欺の手口によく似ている。絶体的な回答がないだけで、未経験者、素人や高齢者を相手にすれば、そのやり易さは効果抜群だ。
そもそもご相談者は、向こう岸の人間にお答えを求めているのではなく、こちら側の岸の人間に救いを求めている。だから、相談事を全て否定されるような回答や意見を望んではいない。そうしたことを彼らは完全に見抜いている。
それに自分の人生を左右するような一大決心は、他人に相談するようなことではない。そこ(相談すること)には甘えや賛同、支援、理解、正当性や妥当性を願う気持ちがあって、自らが本気で考えるときには、真剣に考えればこそ黙って独断し行動すべきだろう。
学校を中退するとき、絶交するとき、好きな恋人と別れるとき、家出するとき、家庭を捨てるとき、離婚するとき、会社を辞めるとき、転職するとき、限界が限界に達したとき、一つひとつの理由、原因や背景を誰にも説明する必要はない。なぜなら説明すること自体が相手に「止めて欲しかった!」との淡い期待を持っているからだ。
自らが答えを出した時、何も言わず黙ったまま行動に移す。自らが窮地に立ったこと、病気になったことを悔いたところで、窮地は脱しえず病気も治らない。すべては10年経てば、みな一笑に付される笑い話になる。
この世に起きるすべからく起きる全てのこと(森羅万象)は、因と縁によって果がもたらされている。明日2月16日号のテーマは、「仏」のココロだ!