テニスの全豪オープンの男子シングルス4回戦。錦織圭とカレノ=ブスタ(スペイン)のフルマッチの死闘は、「生」でしか判らない審判のミスジャッジで流れは一気に変わり、鳥肌の立つほど見応えがあったプレイとなった。お勤めの方々やサッカーのアジアカップをご覧だった皆様には失礼だが、自宅療養中ならではの醍醐味をライブで味わった。
この熱戦には遠く及ばないが寒い寒いといっても今年の冬の寒さもそれほどでもない。ダイダラボッチ伝説でできたという信州最大の湖の諏訪湖は、毎年冬に全面結氷する。でも、これまでのところ、温暖化のせいか、当方のせいか、去年見られた「御神渡り」が今年はどうやら見られそうになく「明けの海」が続いている。
それというのも、この御神渡りは氷の厚さが10cm以上で氷点下10℃程度の冷え込みが数日続かないと発現しないからだ。この「氷の道」、諏訪大社上社の男神が下社の女神の下へと湖岸から湖岸に渡る「恋の道」とも云われ、あまり強調はしたくはないが信州では珍しいロマンチックな言い伝えとなっている。
さて、ここからは本当にお寒いお話。諏訪湖や諏訪大社へお出かけはJR上諏訪、下諏訪駅が便利だ。だが、今年の春のダイヤ改正で殆どの特急「あずさ」が停車しなくなる。そのうえ全席指定化され特急乗車回数券「あずさクーポン」も同時に廃止される。これより運行頻度やスピードアップが多少図れるらしい。
でも、これによって小駅が犠牲になる。しかもこの影響は長野県内に限らず、山梨県内や東京都内にも影響がでる。とくに山梨では、石和温泉、塩山(甲州市と改名)・山梨市、韮崎駅が対象となり、都内でも三鷹や四ツ谷駅が対象となる。これらの駅では、特急列車「あずさ」の停車が廃止、または停車本数が減らされることになる。
つまり、今回のJR東日本のダイヤ改正は、回数券の廃止による実質運賃の値上げ、混雑そのままでお気持ち程度の時間短縮、それに降車する登山客や行楽客目当てにした観光資源しか持たない「在」の地方駅の切り捨てを目的としていることに他ならないのだ。
国鉄から民営会社に転換した同社にとっては効率化や合理化に資するものかもしれないが、こうして徐々に切り捨てられていく市町村を同社はどう捉えているのか。こうしたことばかりを続けていくと、いずれJR北海道のように域内の市町村に限らず道内と一緒に鉄道会社も沈んでいくかもしれない。
公共交通機関を標榜する路線バス、鉄道やフェリーが民業であることだけを理由に不採算路線や部門を廃止したら、それに頼っている通学の学生、通勤の勤め人やそこに住む生活者にとっては深刻な死活問題となるばかりか、やがて域内の人の移動が減少し、却って業者側の不採算化が拡大するような気がしてならない。
この件でその昔、廃業した松本市内の映画館を買い取って興行を再開したいと本気で言い出した息子の一言をふと思い出した。
そしてこのダイヤ改正、にべもなく今年の3月16日(土)から始まる。