Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

梅田銀行と池田信用組合

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 この二つの名前を聞いてピンとくる人は、朝ドラファン。上半期の「半分。臭い!!」「半分。ダサイ!」ではなく「半分。青い」の破天荒な主人公の生きざまを描いた作品と、夫唱婦随であらゆる困難に立ち向かう下半期ドラマの「まんぷく」とでは、全くの真逆のドラマ展開だ。でも、そのコントラストについつい見入ってしまう。

 

 さて、劇中、立花萬平が池田信用組合の理事長になり、池田の中小零細企業に資金援助ばかりか商品開発にまで私財を投げうって懸命に小田嶋製作所を支援する姿は、まるで半沢直樹の「下町ロケット」そのものだ。でも、世の中に不況の陰りが見え始め資金供給のメーンの梅田銀行から早々に信用組合への資金の打ち切りが宣告される。

 

 当方、協同組織である信用組合業界のことはよく分からないが、梅田銀行の経営転換は経済合理的で当然のことである。問題はその資金供給を全面的に梅田に依存した信用組合側に問題があるように思える。融資は美談や成功体験を基に実行されるべきものではなく極めて慎重に実行されるべきものであって、その原資が他人資本であればなおさらだ。信用組合に預金を預けている預金者や出資者の資金が与信に廻っていることを忘れてはならない。一歩間違えると、バブル華やかりし頃に大阪の木津信用組合で取り付けが起きたことも当然といえば当然のことだ。

 

 それゆえ、信用協同事業のビジネスモデルは資本主義的でもなく人道支援金融でもあってはならない。つまり、調達コストの高い信用組合ごときが市中銀行の向こうを張って同質化に走ったところでお先は見えている。世には信用金庫、信用農業組合や漁協など信用事業を看板にイッパシの金融業を営んでいる業界も多い。

 

 どうも、この協同組織金融、戦後の復興期ならともかく今の金融ビジネスモデルは何処もかしこも似たような発想で期をてらったような経営ばかりで何か大事なことが欠落しているようでならない。これは後日にこのブログでも掲載するが関係者の間に「想定外の出来事」「時代の流れでやむを得ない」「競合上やらざるを得ない」等々の発言が多いことも気になるところだ。本当にそうなのか?「逃げ口上」とは思いたくないのだが・・・。

 

 こうした閉塞した事態は、重電、弱電、自動車、鉄鋼、建築、土木、商品販売サービス業などあらゆる事業分野で同じことが言える。自動車産業などその典型で車での技術も車型もどのメーカーも似たか依ったかだ。確固たる経営信念、創業理念が語れず、人真似や未来やビジョンのない企業はいずれ淘汰されていくのは自明だ。

 

 少なくても朝ドラを観ている当方でさえ、折角、NHKが全国放送で『信用組合』をテーマに何週も放映しているのに、それを『渡りに船』と積極的に広報しない業界関係者のスタンスに疑問を持ってしまう。でも「信用組合」ってなんかセピア・ブルー色に聞こえるのは当方だけか・・・。いっそセブンイレブンカラーで全国店舗やロゴマークを統一するのも妙案かもしれない。