どういった背景、原因や理由があっても「おかしいものはおかしい」。これを覆せば「無理(筋の通らないこと)が通れば 道理(誰が考えても正しいと思うこと)がひっこむ」ということになる。
つまり、こうしたことがまかり通るようなことになると、正しいと思われることがやがて行われなくなり、道理に反することが正しいことのようになってしまう。そしてやがて正論が正論として主張できなくなる事態に陥る。
これに似た諺に「ならぬことはならぬ」がある。これは、会津藩下の子供たちを什と呼ばれる年長者が教え説いた一節。この教えには以下の前段があって、
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ(唯我独尊)。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ(慇懃無礼)。
一、嘘を言うことはなりませぬ(虚言癖)。
一、卑怯な振舞いをしてはなりませぬ(禁じ手)。
一、弱い者をいじめてはなりませぬ(弱肉強食)。
一、外で物を食べてはなりませぬ(外食)。
一、外で女と言葉を交わしてはなりませぬ(不純異性交遊)。
と来て、最後に「ならぬことはならぬ」と締めたことに由来する。当方、胸に手を当てたらこの何れにも触れる。これを遵守しないと、火鉢に手をかざす「手あぶり」や雪の中に突き倒して雪をかける「雪埋め」というような懲罰もあったと聞く。
今でもその教えが伝わっているのは定かではないが、福島県の名門校の一つ県立会津高校の校風がその当時を偲ばせる。
そして、最後に「正すべきは正す」だ。間違いがあったら直ちに是正すべきであって、誰であろうと放っておけば世は乱れるに乱れる。おい!小池(そこのお前)!この三訓「おかしいものはおかしい」、「ならぬものはならぬ」と「是正すべきは正す」の意に反したことは、よもややってはあるまいな・・。
(今日のおまけ)
ワイシャツはスーツの下に着る下着の一種だ。だからワイシャツ姿で接客するのも面会するのも相手にとっては失礼にあたる。また、半そで姿は勿論のこと長袖のワイシャツの袖口を捲りあげるのもケンカの姿勢や相手を挑発する行為に当たる。いまでこそ、クールビズとかいってノーネクタイ姿も多く見かけるが、これも実はマナー違反である。
それに上司や目上の人に面会するのにサンダル履きも決して褒められるものではない。あるとき辞令交付の際に役員室にワイシャツ姿に腕まくり、それにサンダル履きで入室した先輩格のカッチャンがいた。
やはり、それが端緒だったのか?なくて七癖なのか?案の定、その後あえなく年期明け(定年)を待たずして会社からお暇を言い渡された。さて、あのカッチャン今は、どうしているのだろう・・か。