中国や欧米諸国と比べ日本国内でのキャッシュレス化が進んでいない。その理由?そりゃ簡単、日本の金融機関は国内ではどこに行ってもあって、とんでもない田舎に行っても農協や郵便局があって、いつでもそこのATMから現金が払い出せる。だから敢えてキャッシュレスにする必要がない。
あの広大な中国国内の街角すべてATMを設置するような設備投資をして、金融インフラを整備するには莫大な費用がかかる。それに中国国内で偽札や偽造硬貨が横行しているのも皮肉にもキャッシュレスが進展する理由になっている。時に中国国内の鉄道の切符券売機には硬貨投入口がない。それにネットショッピングが急速に拡大したことから、これが中国のキャッシュレス化にさらに拍車をかけた。
中国もそうだが、欧米諸国もキャッシュレス、電子マネーや仮想通貨が多く利用されている。それは、利用者にとっても、逆にそれを監視する警察当局や税務当局等にとっても資金トレースがし易いことだ。つまり、犯罪者や脱税者が犯罪に手を染めるのにワザワザ足のつきやすいクレカなどは利用しない理屈と同じだ。怪しげなカネの流れはアンダーグラウンドでキャッシュが使われる。だからこうしたお金を「ブラック・マネー」とも呼ぶ。
それに日本の国内には、キャッシュレス化が進まない特殊事情もある。銀行でもコンビニ端末でも徴収されるATM手数料だ。マイナス金利下では銀行の収益は一向に上がらない。 そうした中での手数料は大きな収益源となっている。セブン銀行に至っては殆どがこの手数料収入で経営が成り立っている。さらに、お客も銀行に預けても利息がほとんどつかない物だから払い戻した現金はタンス預金となって、市中に流通しない。
最後に、これは東日本大震災時に経験したことだが、災害時や緊急時に頼りになるのは、やはり最後は現金で、どこの金融機関窓口でも人海による預金の便宜払いを行っていた。でも、あれから10年近く経とうとしているニッポン。2年後には東京オリンピックに海外から大勢の関係者が訪れる。その時になっても、まだ現金至上主義が通用するのか?
(今日のおまけ)
手許現金がなくなることを「懐が寒くなる」ともいう。これはスイカやナナコの電子マネーでも同じでチャージ金額残高が5千円を割ってくると何となく不安になって仕方がない。そうした時は財布に現金を厚めにしておく。
かなり昔の話だが、電車で居眠りをして社内の送別会費を全額、掏られたことがあったが犯人は足の衝きやすいクレカ、電子マネーには一切手を着けていなかった。これで安心したわけではないが、その数日後とある飲食店で飲食途中に洗面所を利用した。その際、椅子に掛けていた背広からサイフが抜き取られた(俗にいう「ブランコ・スリ」)。
急いで交番に届けたが、カード会社がカード利用停止するまでのわずか数十分の間にものの見事に100万円近くのショッピングがされてしまった。当時カードホルダーの当方と犯人が共犯ではないかとカード会社から疑われたことがあった。何故って?それは、カード紛失が2度、3度あって、その度に多額のショッピングがされてしまったからだ・・。