後半アディショナルタイムの１点で日本が２-３で敗れた。ここで試合展開を振り返ってみよう。 立ち上がりこそ日本ペースで進んだが前半中盤あたりからボールがベルギーに支配されるようになった。ベルギー選手は、欧州リーグを代表する選手ばかりだから優位に立つのは戦前から予想されていた。試合は引いてはいない日本がベルギーの攻勢に堪えるパターンだ。
２０分過ぎ、ここでこの試合を大きく左右するプレイがあった。アザールかコンパニーだったかは覚えていないが、日本ゴールポストを直撃した鋭いシュート。ここでベルギーが先制していればこの試合は最後までベルギーペースで進んだのに違いない。ホッとしたのは選手のみならずサポーターばかりではなく、この一撃が外れたことに日本じゅうが安堵した。
結局、前半はこのまま終了し、両軍ともスコアレスで折り返した。ハーフタイムで何が指示されたかは判らないが、バックヤードで情報戦が繰り広げられたのは間違いない。高さもフィジカルでも優位なベルギーを良くここまで抑えられたのは、日本人スタッフによる分析力に他ならない。当方もこの試合９０分間ドローであれば日本にも勝機が生まれると思ったくらいだ。
ところが、後半開始早々の４８分、自陣でボールを奪いカウンターに、絶妙に柴崎がスルーパスを送ると、これを走り込んだ原口が受け、一度フェイントモーションをかけ鋭く右足を振り抜きネットを揺らした。ここで日本が先制。このままでは終わらないと思っていたがその3分後、今度は香川がエリア手前で相手のクリアを拾い、ヒールで一度遊んで、スペースの空いた乾へパス。乾のシュートは無回転で強烈なシュート。ボールは鋭く相手ゴールのネットに突き刺さった。まるで、絵に描いたような２ゴール目だ。
ところが、ここにこの試合のオチがあった。選手もサポーターも日本国中９割方が日本勝利の夢を見てしまった。浮かれた訳ではないが、今から思えば、ここに選手もベンチも「慢心」というか「スキ」「おごり」が出来たと思う。
後半、ベルギーが追い上げ２点を返され同点に・・日本は、たった６分の間に痛恨の2失点を喫した。このまま試合は延長戦に入ると誰もが思ったはずだ。後半残り１０分、本田と山口を投入。アディショナルタイム残り２分、本田のＣＫがセーブされるやいなや、たった３０秒間の間にベルギーのスパーカウンターを受け、最後はシャドリに押し込まれ、これで試合終了。
（今日のおまけ）
引き分けに持ち込もうとした日本選手に油断や逃げ切ろうとする気持ちはなかったか？ 本田のＣＫの前に選手同士で早いカウンター攻撃があることを想定しなかったのか？細かいパスワークとプレスと組織力でここまで勝ち上がってきたニッポン！一瞬の隙を突かれてまさかの大逆転劇。悔しさは残るが、でもベルギー相手に２点を先制したのは、確実に日本サッカーもピッチ内外を問わず実（組織）力がアップしたのは間違いない。
ブラジルとの対戦は叶わなかったが、涙が出るくらい「爽やかな負け」だった。堂々と胸を張って帰ってこい西野ジャパン！！
