「ベンチがアホやから野球がでけへん!!」阪神タイガースで元投手として活躍した江本孟紀の引退前の捨て台詞である。1981年8月、選手から信頼の厚かった前任のブレイザー監督が前シーズン途中で解任、その後監督となった中西太監督の采配(江本投手降板)を批判し、謹慎10日間後にそのまま野球界を引退したという逸話。
プロ野球の監督は選手起用の責任者であり、唯一、選手の人生を背負っている存在。いい加減にコロコロ代えられては困るのは良く判る。国も会社もそうだがトップがころころと代わったり、指示や云うことがコロコロ変わっては現場は持たないし組織そのものが回らない。
プロ野球は勝ち負けを競い、勝つことが生活、お金につながる世界。負けたり降板させられたりして腹が立たない選手はいない。そこで感情が表に出るのがプロ選手。プロ選手に限らず民間サラーリマンや官僚の仕事とて同じことがいえる。組織に遣える僕(しもべ・下僕)は、家族を支え、自身にもプロとしての意識や自負もある。そういう点ではそうした感情をむき出すことは、前向きに生きるためのモラール(意欲)だともいえる。
プロ選手に限らず、サラーリマンや官僚もそうだが、陰で舌うちはしても面と向かって監督・上司に感情をむき出しにすることがない。上も下も、最近はパワハラ、セクハラ、アカハラとかがうるさくなってきて、選手や部下を怒鳴りつけるようなコーチや上司もいなくなってきた。
一方、部下も部下で「御意!」「御意!!」や「忖度、忖度」の連発。そんなもんだから、何処かしこの現場も委縮してしまっている。国、政治はもとより業界、組織や会社の腐敗が一段と進んでいるように思えて仕方がない。
今日の最後にみなさんにも是非、知って貰いたい言葉をお伝えしたい。
獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)
:獅子の体(組織)のなかにいるシラミのこと。これはいずれ、獅子を蝕み弱らせる。つまり、シラミが内部にいてその組織の害悪になりやがて組織そのものが崩壊すること。それが判っていても誰もがそれを口にしない。
尸位素餐(しいそさん)
:地位(役職)にじっとしがみついているだけで、組織(業界)の後先も考えないで俸給を貰って食べているだけのこと。つまり、地位に甘んじて働かず、給料泥棒同然の人(トップ、役員、上司、同僚)のことをいう。
(今日のおまけ)
その昔妊婦は、自然分娩が普通で入院して出産、退院するまでは少なくとも1週間から10日程度は入院していたものだが、最近は診療報酬の引き下げもあって、特に異常がなければ産後4日足らずで強制退院となる。ところが麻酔による無痛分娩が主流の欧米(ブラジルでは100%が帝王切開)では、出産直後や翌日若しくは翌々日に退院するらしい。
そんなことで大丈夫かと訝るのだが、五体満足で無事に産まれて母子ともに健康であれば、入院日数は、何日でも構わない。今月末(出産予定日)に徳兵衛夫婦は5人目となる孫を授かる。