「奥野細道」。芭蕉は崇拝する西行の五百回忌にあたる1689(元禄2年)に、門人の河合曾良を伴って江戸を発ち、奥州、北陸道を巡った旅行記である。 全行程なんと600里(2400キロメートル)を約150日間で東北・北陸を踏破した。
徳兵衛の知り合いの後藤不動産鑑定士(鑑定会社社長)も芭蕉に傾倒し、仕事の傍ら毎年、芭蕉が歩いた道を小分けにして「僕の細道」と称して歩いている。今年は北陸路(親不知界隈)を彷徨しており、近々これを紀行文として自費刊行するやに聞いている。刊行が相成ったうえは、是非、皆様にもご紹介したい。
こうした高尚な趣味は、つまらぬ旅をするより、また、ハイク(俳句)やトレッキングするより面白いという。独り旅の風に吹かれ、時に雨に降られ、時に炎天下を歩いていると自我が抜け自然と一体になれるという。ある時なぞは裸電球ひとつの安宿の一室で床を取りながらで虫の音などを極みと悟りが開けるといっていた。徳兵衛もかくありたい!!
(今日のおまけ)
そうした彼(社長)は、行く先々で自筆の絵葉書に俳句を添えて送ってくれ、旅の味わいを伝えてくれる。
「急ぐとも、心静かに手を添えて、外に漏らすなマツタケのつゆ(芭蕉)」
ここで徳兵衛もここで、一句詠みたい。
「熱き身に、ひと雨降れど、我が傘のひらかぬ宵の恋しぐれ(茶坊主)」