Koushuyaの徒然日記・オフィシャルブログ

多くの方々からブログ再開のご要望をいただき、甲州屋徳兵衛ここに再び見参。さてさて、今後どのような展開になりますやら。。

危機と好機

 

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    徳兵衛も山登りが好きで、クリンソウが咲くころ、長野・群馬県境の荒船山にも登った経験がある。さほど恐れる山ではないが、つい先だって、艫岩の断崖200メートルに横浜の母子が滑落。母の遺体は収容できたが、男児がまだ見つかっていない。普段、見通しが良ければ落ちるところではないが、霧が深ければ命を落とす危険性があり、これまで何人もが滑落死している。戸隠山の「蟻の戸渡」や北アの「不帰の剣」などは、最初から危険を予知しているから、用心して慎重に登る。こうした時にはめったに滑落しないしケガもしない。

 

 昔、行きつけのスナックのママさんに「チャンス」という香水を贈ったことがあるが、今の徳兵衛は「ピンチ」の連続で、ブログも自虐ネタが多い。ピンチ(危機)はチャンス(好機)などと挑戦心や向上心を煽る言葉を良く耳にするが、これは全くの嘘!!ピンチはどうこじつけようがピンチ!登山家にとって、急峻な登りはチャンス(妙味)でもあるがここに油断が生じるとケガや滑落といったピンチが「今日のおまけ」としてついて来てしまう。折角のチャンスはピンチとなる。

 

 では、どうするか?記憶が定かではないが、ゴルファーのリー・トレビノがアプローチの際に「チャンスもピンチの時でも、いつもの呼吸でいつもの歩幅で」という名言がいつも頭にある。ただ、そうは思っていても、なかなかこれを実践できない。つまり、ピンチもチャンスもそう長続きするものではなく、潮目や風の向きがいつか変わるので、慌てることなく平常心でその時を待つことができるかどうかで、ゲームメイクできるものと勝手に思い込んでいる。

 

 でも、40年以上一筋に同じ会社で勤上げて年季明けとなったが、思えば「ピンチ」の場面ばかり、上手くいったこと、楽しかったことより、「ピンチ」の時の方が懐かしい。

 上司に稟議書を投げつけられたり、土日もなく毎晩、終電で帰宅した日々。プロジェクトリーダーとなって全責任を負わされ、仕事が間に合わず駅のホームの端で茫然と立ち尽くしていると、駅員に声を掛けられたこともあった。今っとなってみれば、いずれも徳兵衛にとっては至宝だ。その後、そのことがキッカケで、公私に亘ってお世話になったその上司も数年前、年金を受けとらないまま静かに他界した。

 

(今日のおまけ)

    街角や庭先では、「金木犀」(見たことはないが白色の銀木犀もあると聞く)の花が咲き、秋風に乗って心地よい香りを運んでくれる。「沈丁花」もそうだが、強い香りの割には「嫌味」や「雑味」がなく穏やかな香りだ。罵詈雑言を吐く上司でもあっても「金木犀」のような包容力と指導力を兼備した幹部は、殆ど見当たらないと、退職先の中堅社員からも聞く。素浪人徳兵衛も、あの頃を思い出しながら、しばし金木犀の香りを楽しみたい。